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< 双月 >
- On the night before the decisive battle -

最終話 『二つの月が重なる刻』

幾つもの想いが交錯し、向かうべき道行きは一つとなった。
彼らは様々な願いを抱きながらも、今は一つの目的に向かい突き進むだろう。
それは得難くも尊い行為……だが、それは永遠のものではない。
交差した道とは、また離れていくものだから。

けれど、ここに永遠を分かち合う者たちがいる。
互いの道を一つに、願いを一つにすることを誓う――絆を結ぶ者たちが。


Phase-3 絆


コントロールルームに満ちる竪琴の音――

極めてシンプルな音使いではあるが、決して辿々しいものではない。
むしろ、大気に溶け込んでしまいそうなほど可細い旋律でありながら、
存在感を以て聴く者の心に染みこんでくる音階は、
奏者の高い技量を窺わせる。

……奏でているのはエッジである。
芸に秀でる彼は、思いの外精緻な指運びで繊細な音色を紡いでいく。

そこに合わさる歌声は、
リディアと彼女の喚びだしたシルフたちのもの――
高く、或いは低く……。
落ち着きある曲調に合わせ、穏やかな抑揚に声を震わせる。
糸のように細く澄んだ声、それは一本一本が竪琴の音に乗って編み上げられ、
豊かなハーモニーとなって織り重なっていく。
部屋中にゆったりと広がり、荘厳な雰囲気で辺りを満たしていく。

今、コントロールルームは誓いの間――そのものだった。

その中を手に手を取り合ったセシルとローザは、
厳かな足取りで歩を進めていく。

セシルは、白さの映える鎧一式に身を包み裏地の紅いマントを纏う。
ローザは、即席で裾を延ばされた白のローブに身を包み、
その面をヴェールの向こうに納め、セシルに付き従う。
また、その手には幻界から持ち込んだ薬花のブーケが添えられていた。

二人は進む。
一歩、また一歩と――噛みしめるように。
仄かな輝きを湛える飛翔クリスタルを背に立つ司祭――カインの下へ。

左手側には、楽を奏でるエッジと、
シルフ達を従えたリディア。
視線を向けるとリディアは唄いながら小さく相好を崩し、
エッジは澄ました顔で竪琴を奏でながらも、鼻を得意げにひくつかせた。

右手側には、見届け人として喚ばれた
幻獣王と女王が静かな笑みを浮かべ、厳かに佇む。
セシルは不意に、記憶にない父と母の姿をそこに重ねて、
一抹の気恥ずかしさを感じた。

そして、ふと――その影にあの人の姿が掠める。

黒き影は、穏やかな笑みを浮かべる――そう、セシルには見えた。
……セシルは瞼を伏せると、
唇が見て取れないほど小さく動き、微笑みを象った。

やがて立ち止まる、白と白。
カインの足下に辿り着いた二人は片膝を着き、頭を垂れた。
すると竪琴の音も歌声も次第に遠のき、
辺りには水を打ったような静謐に満ちた。

そこに投じられる一石――カインの朗々とした宣言。

「天と地に遍く四元の主よ――今ここに集い、照覧あれ。
 我、ここに執り行う『誓いの儀』の承認をを望まん」

低く張りのある声が厳かに響く。
カインは、天高く掲げていた両手を降ろすと、
頭を垂れた二人に向かって、手のひらを翳した。

「誓いし者――セシル・ハーヴィ。
 儀にあたり、偽り無き覚悟が出来たならば、立つがよい」

「はい」

雄々しく立ち上がるセシル。

光を受け、銀に輝く者。
深き紫紺の瞳が、湖水のような静謐を宿す。

「誓いし者――ローザ・ファレル。
 儀にあたり、偽り無き覚悟が出来たならば、立つがよい」

「はい」

優雅に立ち上がるローザ。

光を受け、純白に染まる者。
薄く開いた燕支の瞳が、揺れる篝火のような仄かな光を宿す。

「見届ける者よ――
 彼らの覚悟を認めるならば、
 無言によってその証を立て、我に示せ」

「「「「…………」」」」

何れも無言を以て応えた。

「……四元の主よ。
 これより成される誓いにあたり、己に、見届ける者に……
 そして、クリスタルの輝きの前に偽り無きことの制約を以て
 我、ここに『誓いの儀』の始まりを宣言す」

皆の顔を確かめるように視線を走らせると瞼を閉じ、
カインは厳かに謳い上げた。
そして、その手は新郎を指し示す。

「セシル=ハーヴィ」

「はい」

「我は問う。
 汝――いつ如何なる時も妻を睦み、
 病めるときも、健やかなるときも変わらず、
 妻を守り抜くことを、ここに誓うか?」

視線に込められた強い意志――
セシルは厳しさを湛えたカインの視線を受け止め、大きく頷く。

「はい」

セシルは短い返事に強い意志を込め、応える。
そう……それは誰でもないカインへの誓いでもあった。

それが伝わったのだろう。
カインは表情こそ微動だにしないものの、
視線を穏やかなものに変えた。

次いで、新婦を指し示す。

「ローザ=ファレル」

「はい」

「汝――いつ如何なる時も夫を支え、
 富めるときも、貧しきときも変わらず、
 夫を信じ抜くと、ここ誓うか?」

問うたカインは目を閉じていた。
ゆえに、そこに帯びている感情は見えない。
また、神像のような悟顔から推し量るのも難しかった。

ローザは迷うことなく応えた。

「はい」

ローザの誓い――
その潤んだ声にしばらく間を置くと、
カインは瞼を開き、目だけで満足げに笑った。

そして、壇上より降り立つ。
すばやく歩み寄り、二人の手を取ると重ね合わせた。

「ならば、汝ら――
 互いの道を永久に一つとし、
 二人の手で一つの未来を紡ぐことを、ここに誓うか?」

触れあう手と手。
セシルとローザは互いの顔を見ることなく、

「「はい」」

と、声を揃えた。

それを聞いたリディアが小さく歓声を上げた。
瞳には、憂いなど欠片もない。
在るのは羨望。
輝ける誓いの日に対して、誰もが抱く羨望だけだった。

今や花嫁に憧れる一少女にすぎなくなったリディアを横目に、
エッジは苦笑を漏らしてしまう。

(まったく、ガキだな)

声が洩れそうになる。
だが、次の瞬間その失笑の理由に気づいて、
跋の悪さを誤魔化すように小さく鼻を鳴らしていた。
エッジは単純に嬉しかったのだ――彼女が憂い無く笑っているのが。

視線を交わした三人は、自然と笑みを浮かべた。
そこで初めてカインが笑顔になった。
もしかすると、この場にいる誰よりも満足げな笑顔に。

「ならば、誓いし者たちよ――
 指輪の交換を以て互いの誓いの証と成すがいい」

セシルは、承知とばかりに懐から小箱を取り出した。
そして、一対のリング――その小さい方をつまみ上げる。

”…………”

そのとき、セシルは耳朶に触れる何かに気づいた。
指輪を抓んだまま手を止め、耳を澄ます。

”あ、あ――聞こえとるじゃろうか……”

声だ――声が聞こえる。
次第に大きくなるそれは聞き覚えのある嗄れた声……小箱からだ。

”意外に、かってがわからんのぉ……。
 物に意志を込める魔法なぞ、初めてじゃから仕方ないか。
 ま、何とかなるじゃろ”

「この声……」

リディアが顔色を変えた。
そう、これはもう聞くことは無いと思っていた声。
振り向いたセシルと二人、顔を見合わせる。

「……まさか……」

それ以外、考えられない。
二人がそう思ったとき、小箱が鈍い光を放つ。
すると、予想に違わぬ者の姿が目の前に浮かび上がった。

”儂は、テラ……賢者テラじゃ”


     ☆


我が指輪を手にせし者たちよ。
その旅立ちの日に、儂から祝福の言葉を送らさせてもらおう。
――おめでとう。

本来なら祝福のみで済ませるべきであろうが、
勝手ながらここで、その指輪の由来を伝えておきたい。
年寄りの戯言ではあるが……心して聴いてほしい。

もう何十年前になろうか……。

かつての儂は、ミシディアの地で魔導を研鑽する学徒の一人であり、
若くして賢者と呼ばれるほどの腕前に至った魔道士の一人であった。
習熟し、導師クラスになった魔道士たち――
その多くが己の魔力の拡大や、失われた魔法の復活という試みる中、
周囲の賞賛に増長した儂は、誰も成し得たことのない一つの研究に着手した。
それが――『クリスタルの精製』という研究だった。

ミシディアの象徴――水のクリスタル。
この水属性によって純化抽出された魔導的高エネルギー体は、
遙か昔、白銀の民によってこの地にもたらされた、と古文書にある。
この一節に着目し興味を持った儂は、
片っ端から古文書を読みあさり……一つの結論に達していた。
それは――水のクリスタルを含む全てのクリスタルは、
何処からか来訪した『白銀の民』の手によって精製され、
我らの手にもたらされたモノである――と。

――そして、儂は思ったのだ。
白銀の民に生み出せたモノが、儂に生み出せないはずがない――とな。

儂は、どうしようもない馬鹿者であった。
だが、如何なる運命の悪戯か――永きに渡る研究の末、
儂は偶然にも一欠片のクリスタルを生み出すことに成功してしまう。
これは幸運か、不運か――今思えば、恐らく後者であろうが、
その頃の儂は、諸手を上げて狂喜した。
原理も解らぬまま生み出されたそれが、偶然の産物であったにも関わらず。
また……それが過ちの始まりであることに気づかずに。

クリスタルを創り出せる――その事実が儂を狂わせてしまったのだ。
儂は、手にあるクリスタル……目の前に具現した可能性に狂喜し、
異常なほど研究意欲を駆り立てられ、更に研究へと没頭した。
己の全てを抛つことのみならず、
愚かにも家庭を顧みることのなく、娘の事を蔑ろにし――妻への愛も見失って。
その結果、最後には妻をも犠牲にしてしまった。
全ては儂のせいで……。
そして――そのとき生み出されたのが、二つ目のクリスタルだった。

儂は、そのときやっと気が付いた。
自らの過ちに――そして、クリスタルの本当の意味に!

……だが、全ては遅すぎたのだ。
妻は、永遠に失われてしまった。
……その想いは、儂に全ての意欲を失わせる結果となった。
そう――我が娘、アンナへの想い以外は――

――以来、魔導を捨てた儂は、
流れ流れて、娘と共に不毛の地カイポに移り住んだ。
そして、失われた妻への愛を残らず娘に注ぐことで、贖罪しようとした。
過ちに怯えた儂は、家族への愛を見失いたくなかったのだ。

……だが、また儂は過ちを犯すことになってしまったな。
儂のくだらぬ拘りによって……。

……儂は、また愛する者を……アンナをも失ってしまった。

娘への執着に盲いた儂の目は、真実を映し出してはくれなんだ。
儂が娘を愛することと同じように、
娘にも生命を賭けるほど愛する者がいる――
――そんな簡単な事に気づけなかった。
儂の手には、娘のための――
その幸せを守るための指輪があったというのに、
結局、それを手渡すことは叶わなかった。届かなかった……。

おぬしらの手にあるのが、その指輪じゃ。

我が生涯を賭けて追い求めた研究『クリスタルの精製』――
その集大成して、儂の悔恨の結晶から生まれた一対の指輪。
――クリスタルリング。

皮肉にも、それは素晴らしい守護の力を秘めておる。
身につけておる限り、邪悪なものからおぬしたちを守ってくれるだろう。

……だがな、忘れんでほしいことがある。
その力は、クリスタルの光によるモノ――
光が失われれば、いかなクリスタルリングと言えど、
その守護の力を失ってしまうのじゃ。

クリスタルはありとあらゆる想いを宿し、輝きに変える。
そして、その想いとは決して我欲に根付くものではない。
常に己の外側に向いた想いなんじゃ。
人と人との間に満ち――また、水や風、土や火などにも宿る
世界の至る所にあまねく事が出来る『想いやり』の集積……。
意志の光――それがクリスタルの光なのだ。

……わかるか?
おぬしたち二人が互いに思いやる力が、その指輪に力を与えるのだ。

その指輪は、おぬしたちが互いを思いやる気持ちを忘れぬ限り、
決して光を失うことはない。
想いが強くなればなるほど輝きは増し、守護の力は強くなろう。
されば指輪は、大いなる力を以て必ずや守ってくれよう……互いを。
……全てを賭けて守りたいと望む、愛する者を。

そして、ますます育むがいい……想いを。

さすれば、おぬしたちは決して
儂のように愛する者を失う悲しみに囚われることはない――
儂のような過ちを繰り返すことはない――儂は、そう信じておる。

…………。

最後に――

これを手に取っているのはセシルであろうか……。
また、受け取るのはローザさんであろうか……。
儂には、それを確かめるすべは無いが、
せめて祈らせてもらおう……おぬしらの無事と幸せを。

そして、儂は信じている。
おぬしらの意志の光が、いつまでも失われないことを……。


     ☆


目尻に深い皺が刻まれ、
満ちた足りた微笑を湛えていた幻像が――消えた。

「おじい……ちゃん……」

リディアが感極まった吐息と共に、そう零した。

テラを知る者も知らぬ者も
残らずその言葉に胸を打たれ、声を失っていた。

語られた言葉――
それは重き悔恨の数々ではあった。
だが、そこには間違いなく輝かしい祝福と、
叶えることの出来なかった願いが込められていた。
新たな始まりを迎える二人への祝福と戒めと――願いが。

自ら叶える願いもあれば、
他の者が叶えられることを信じ、託す願いもある。
――願いのカタチは、人それぞれなのだから。

故人の願い――それは責ではない。
決して押しつけではない。
だから、託された者は選べばよかった。
すでにある己の望みを優先するのか、
それとも託された願いを自分のモノとするのかを。

セシルは、手にあるクリスタルリングを――じっと見つめた。

そして、ぎゅっと握りしめる……指輪を。
セシルは、そこにに込められた全ての想いを受け容れたのだ。

「僕は、愛する者を失わない。
 貴方の想いを……願いを無駄にはしない。
 必ず守ってみせる。約束するよ……テラ……」

セシルは、すでに消えてしまった幻像に向かって誓う。
そして、ローザを見た。
ローザは、無言のまま頷いた。

「さあ、指輪の交換を――」

二人は、カインに向かって頷くと、
互いの手を取り、それぞれの薬指に虹色の輝きを納めた。

すると、どうだろう。
二人の姿は、指輪から放たれた柔らかな煌めきに包まれる。

虹色が溶けた白光。
暖かみを帯びた優しき輝きだった。
互いを想いやる心の光……皆、その眩しさに目を細める。

「綺麗……」

その光景は、写実的な美しさを超えて胸を打つ。
腕に寄りかかりながら洩らしたリディアの羨望の呟きに、
傍らにいるエッジは小さな頷きで応じた。

幻獣王夫妻も湛えた微笑みを見合わせる。

「四元の主よ――今、ここに一つの誓いが成された」

カインは朗々と謳い上げる。

「だが我らは卑小なる身ゆえ、この誓いの行方を見届けること能わず。
 四元の主よ。我らに成り代わり、
 この誓いの行方を見届けることを望まん。
 我ら、今ここに誓いし者の始まりを見届けることを以て、
 その役目を託し、『誓いの儀』の終と成す」

厳かな声……だが、明らかな祝福の笑みを浮かべて、カインは言った。

「汝ら、我らの前に誓いへの一歩を指し示すがいい」

セシルは、やや緊張した面もちで頷く。
そして、花嫁に向き直るとヴェールに手を掛けた。

現れた花嫁の顔――
それは涙に濡れていた……歓びの涙に。
潤んだ瞳は、真っ直ぐに見つめてくる。

その輝きに映るモノは……。

それを見て緊張を解いた花婿は、微かな笑みを浮かべた。
花嫁は、その身を差し出すように目を閉じる。

そして白き二つの光は――今、一つに重なった。


     ☆


――そのときだった。

ドドドドドオォォォ――――

轟音と共に船体が大きく揺れた出したのだ。
立っていられない。
船体が跳ね、軋み、何かが崩れる音を誰もが聴いた。
魔物の襲撃か!?……いや、違う。
この揺れは船体だけではない。

「これは……!」

これは――月全体が揺れているのだ。

全員は、それぞれ何かにしがみつきながら、
直感でそれを悟っていた。

「おいっ!アレを見ろっ!!」

エッジが叫ぶ。
指差す方に皆の視線が走る。

全員は見た――
キャノピーから広がるパノラマの一端を。
今から向かうであろう館の在る方角に立ち昇る、炎のように紅い柱。
それが青き星に向かって真っ直ぐに伸びていくのを――

「何なの……いったい」

セシルの胸にしがみつきながら、ローザが震える声で呟く。
それは全員の思いを代弁していた。

禍々しき紅き柱――

それは星の海を貫き、青き星まで辿り着くとまとわりつき、這い回り……
青き星の湛える静謐の蒼を穢すように、鮮血の紅を滲ませていく。
それはまるで青き星を掴み取ろうと伸びる、邪悪な触手のように見えた。

振動は次第に収まり、紅き触手も消え去っていく。
だが、揺れが収まるほどに身に襲う戦慄を自覚させてしまう。
それは剛胆さを自負するエッジすらだ。

先程までの和やかな雰囲気は、今の揺れで完全に崩れ落ちていた。

「どうやら……
 時は、それほど無いようだな」

カインは言った。
司祭の帽子を剥ぎ取りながら、淡々と。
おもむろに脱ぎ捨てたローブの下から、無骨な鎧が現れた。

「これは……急がなきゃね」

リディアは言った。
ローザの手にあるブーケを物欲しげに一瞥し、振り切るように顔を振ると、
そこにあるのはもう、強き意志を宿した戦士の顔だ。

「ま、何とかなるだろ」

エッジは言った。
深刻な事実を受け止めながら、尚も余裕を忘れない笑みで。
けれど、瞳には油断無き冷静さも宿して。

「今、私たちがやるべきこと――それは」

ローザは言った。
ヴェールを取り、皆の未来を掴み取ると堅信する直向きな瞳で。
結った髪をパサリと解いた。
踊った髪が落ち着くと人生の伴侶を見上げた。

「みんな――」

セシルは、皆を見回した。
その意志の満ちた微笑は、日の光を受け止めた満月の輝き――

自分の言葉を待つ全員に向かって、セシルは頷いた。

それぞれの想いを胸に……けれど今は、目的を一つに。
そして、高らかに投げかける――闇夜の道を照らす一条の月光。

「――往こうっ! 最後の戦いに!!」



Epilogue 『Earthlight』
最終話 『二つの月が重なる刻』 -双月交想-に戻ります
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