【第122話】

複数の仕掛け


二階は細い道と十字路がたくさんある階だった。

俺とトールで探索をすると、袋の魔物が襲ってきたが

トールの魔法の助けで、撃退することに成功した。




倒した魔物を乗り越え、また白みつぶしに十字路を探索すると、上に行く階段を見つけた。


「ようやくだな・・・」


さすがに気分が滅入った。


まだ全部の通路を探索したわけではないので他に階段があるかもしれないが、

別の場所は今の段階では探索はせず、親方のところに戻ることにした。


「階段見つけたぜ」


俺は親方に報告をする。


「よくやった」


トールが書いた地図を元に全員で入り組んだ十字路を進んでいく。


「まだ他に探索していないところもあるが、どうする?」


俺が親方に指示を仰ぐ。


「上に行こう。

 もしこの階段を使ってさらに上にいけないようだったら

 この階に戻って探索だな」


「了解」


俺達は三階への階段を上っていった。


三階は比較的広い通路だ。

先ほどに息が詰まる通路にいると

押しつぶされる感覚があったので少し気が楽になった。


三階は正面に大きな通路、左右に細い通路がある。


「そろそろ、奴が待っているかもしれんの」


親方がつぶやく。


目の前の大きな通路は、以下にも何かある、という感じの道だ。


「正面から行くか?」


俺は親方に聞く。


「うむ」


親方がうなずく。


「じゃぁ、今度は俺が一人でいくぜ」


ゼネテスが先方をつとめる。

危険が高いと判断したから一人で行くと言ったのだろう。


「もし、奴がいたら引き返せよ」


俺はゼネテスに警告した。


「あぁ。わかった」


ゼネテスは俺を見ず手をあげて行ってしまった。

気の強さから、先日の戦いのように

一人でつっこむことも考えられたからだ。


できれば親方に危険が及ばないよう、

自分の手で片付けたいと考えているかもしれない。


戦闘能力だけとれば、親方の次に強いのは

ゼネテスだと思うが、あのエビルマージは得体が知れない。

一人で対峙するのは危険に思える。


そんな俺の危惧も無駄に終わった。

しばらくするとゼネテスは戻ってきた。


「行き止まりだったぜ。

 でもなんだか、大きな石の壁があって、

 何かありそだったがな」


「そうか、では皆で見てみるか」


通路の安全は確認できたので俺達は正面の通路を進むことにした、


進むこと数分、突き当たりに出て、目の前に天井まで届いている大きな石の壁がある。


「ほら、あからさまにこの石の壁と脇の壁と隙間があるだろ?」


ゼネテスが石の壁を叩く。


「確かに。この先に何かあるのだろうな」


親方も壁を調べる。


「きっとこれだけ大きい壁に守られているんだから国宝級ですぜ」


仲間が嬉しそうに答える。


「そうかもしれんのぉ・・・」


親方はもう少し石の壁を調べていた。


「何かわかったか?」


俺が親方に声をかける。


「うむ・・・、少し見た感じではこの石壁にしかけはないの。

 どう見てもこの石壁は人力では動かせなそうだから

 どこか別のところに仕掛けがあるのか?

 先ほどの階段のところに戻って、残りの道を探索してみるか」


俺達は先ほどの階段のところまで戻ってきた。


ゼネテスがまた一人で行こうとしたので

今度は俺も同行を申し出た。


その後、左手の法則にしたがって左の道を進む。


ゼネテスが罠を調べ、俺が地図を書いていく。

するとまた左右に道が分岐している。


さらに左に進むと、また左右に道が分岐している。


「ほんと、迷わせるための構造だな」


俺は地図を書きながらぼやいた。


さらに左手を調べるすぐに行き止まりになった。


「戻りか」


俺が引き返そうとする。


「待て」


ゼネテスが止める。


「なんか、突起のようなものがあるんだ」


ゼネテスが指差したところを見ると

確かに突起のようなものがあった。


「押すと何かの仕掛けが作動するのかな?」


「かもしれないな」


しかし罠が発動することも充分考えられるので、深入りはしなかった。

俺達は地図に突起の仕掛けらしきものが有り、と記述しただけで戻ることにした。


戻って、右の通路も探索するとまたすぐに行き止まりになり、同じような突起があった。


「突起が複数あるってことは、もしかしたらすべて押すと仕掛けが作動するのかもな」


「それもあるが、もしかしたら押す順番みたいのがあるかもしれない。

 正しく押せば、さっきの石壁は動くが、失敗したら罠が発動するとかな」


「だとすると、押す順番の確信がない以上はこの突起はこっれ以上調べられないな」


俺達は、また一つ前の分岐に戻った。


「どうする?一度戻るか?

 それとも右の道を探索するか?」


俺はゼネテスに聞いてみた。

本来なら、一度戻って親方に突起の場所を知らせ指示を仰いだほうがよいと思う。

だが、ゼネテスはできれば自分で探索を続けたそうだった。

親方や他の奴らに危険なことをさせたくないからだろう。


「右の道も探索しよう。もしやばそうだったら、すぐ戻るぞ」


「了解」


ゼネテスの気持ちはわかったので俺は付きあうことにした。

右の道を探索すると四階に行く階段を見つけた。


「三階の探索は今はここまでだな。

 別の道を探索するか、突起をさらに調べるか、階段を昇るか

 親方に指示を仰ごう」


第123話 王家の宝(執筆完了)

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