【第123話】

王家の宝


三階も探索が複雑だった。

いかにも何かあるという感じも大きい石壁、

通路の所々にある突起、そして四階に昇る階段。

まだ三階の探索は終わっていないが、

一通りの情報を得た俺達は親方のところに戻ることにした。




「四階に行こう。ワシらの目的はエビルマージを倒すことだからな」


親方は報告を聞いた後、即答した。

一階を探索したときと同じ理由だ。


探索を広げることで、犠牲者が増える可能性を防ぐのと

目的を第一に遂行するため、上の階層にエビルマージがいる可能性が高いからだ。


俺達は四階に続く道を案内した。


階段を昇ろうとすると、親方に呼び止められた。


「待て・・・」


親方は真剣な顔をしている。

この階段に罠でも仕掛けられているのか?


「どうしたんだ?」


親方に聞いてみた。


「上からまがまがしい気配を感じる」


「奴がいるってことか?」


「わからんが、その可能性は高い」


俺には何も感じなかった。


人の気配くらいなら俺でも察することができるが

魔物が発する殺気などはあいにくと俺には感じることができない。


武術の達人ともなれば、感じることができるのかもしれないが。


「ワシが先に行こう」


親方が先に階段をあがっていった。




四階に上がると、また細い通路だ。


少し歩くと広場に出た。


「すげぇ・・・・」


その広場を見て俺は思わず感嘆した。

広場の真中には大量の宝箱が置かれていた。


今まで、宝を探すためにいろいろな洞窟や遺跡を探索したことがあったが

これだけの量の宝箱は見たことがない。


他の仲間も宝箱にくぎ付けだ。

罠があるかもしれないから、すべてが宝ではないかもしれないが

盗賊であれば目の前の光景に誰もが心惹かれるだろう。


だが、この部屋に何か違和感があった。

なんだ、この違和感は・・・


広場に出たときは目の前の宝箱に目が思わずいってしまったが

部屋の端を見ると、石の箱がみっしりと敷き詰められている。

なんだ、あれは。


「棺じゃな」


まるで俺の考えを読んだかのように親方が口にした。


棺か、確かに人一人が入れそうなほどの大きさだ。


「大昔のイシスの王達が埋葬されているのかもな」


ゼネテスが言う。


”フフフ・・・王の遺体はここではないがな・・・”


突然異質の声が聞こえた。


皆に緊張が走る。奴だ。


第124話 イシスを選んだ理由(執筆完了)

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