【第25話】
冷たい牢獄
ロマリアから来た騎士団に俺たちは捕らえれれた。
老人からはもう俺たちが今回の犯人だということの連絡が言っているらしく騎士団の数人が俺たちを運ぶためロマリアに、残りの騎士団はカサーブの東にいって商人のアジトに行ったそうだ。
縄に縛られながらロマリア城に連れて行かれ、武器も防具も道具もすべて取り上げられ、取調べをされた。取調べにはすべて正直に話した。そのあと俺たちは牢獄に入れられて、冷たい床に俺とリュックは座っていた。
「はぁ・・・・僕たち、これからどうなるんだろうね・・・」
「わからんな・・・・
何かしらの裁きはかけられるだろうが。
しかも重いだろうな。国宝を盗み出したのだから」
「・・・・・・・・・・・・」
「リュック・・・・本当にすまん。
謝ってすまされることじゃないことはわかってるが・・・・」
「ルーニ・・・・・」
「なんとか、お前を逃す方法を考える」
「いいよ。それなら一緒に出る方法を考えようよ。
それに謝らないで。
ノアニールで意地でも止めなかったボクが悪かったんだし
それにルーニが一人でいくっていうのを
ボクが勝手についてきたんだから、ルーニが謝る必要は一つもないよ」
リュックは、こんな牢獄でも笑顔で答えた。
「しかし、考えが甘かったな・・・
俺たちが考えているほど、この国は小さな組織じゃないな」
「うん、恐ろしい情報網を持っているね。
ボク達が来ることも事前に知っていたなんて。
本当に甘かった」
「それだけじゃない。
兵隊達もどれも訓練されたツワモノばかりだ。
俺たちをひっとらえていった騎士団の奴らもきっと王族お抱えの騎士だろ。
宝物庫のところにいた見張りとは比べ物にならねぇ強さをかもし出していた」
「さすが、騎士団というだけあったね」
「それに最初に俺たちを捕らえたあの老人。なんだ、奴は」
俺はあの老人のことを思い出して身震いした。
「すごく強かったね」
「あぁ・・・・ベラボウな強さだった。
手も足もでなかった。
クソッ・・・・悔しいぜ・・・」
俺は拳を握り締めた。
「あの人も騎士だったのかな」
「しかし格好からして、そうには見えなかったな。
背中に背負っていた大剣はたいしたように見えたが
それ以外は、鎧も見に着けていなかったし、
短刀と、特殊な見たこともないような黒っぽい服を着ていたな」
「うん、戦士にも見えなかったし・・・盗賊?」
「常に軽装じゃなければいけない盗賊があんな大きな剣を持たないだろ?」
「でも大剣持っていても、あの速さだよ?」
「う~ん・・・・どっちにしろ、俺たちの行動は
ロマリア王の手のひらの出来事に過ぎなかったってことだな・・・・」
「そうだね・・・・」
俺たちは二人してがっくりと肩を落とした。
第26話 鉄格子をはさんで
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