【第103話】

バラモス戦


城の外をくまなく歩いた。

そして・・・・・・・・ついに奴のところへたどりついた・・・・・・・

姿を見なくてもわかる。

階段の下からすごい殺気を感じる。


階段をゆっくり下りる。

私の足音だけが聞こえる。


不思議なことに恐怖は・・・・・・・・・・・ない。

ただ、階段を一段ずつ下りる度に、今までのことを思い出す。

そのため私にはすごく長い時間に感じた。


死ぬ間際になって、今までの記憶がいろいろよみがえるという話を聞く。

それが真実かどうかはわからないけれど、

今の私はそんな感じだった。

階段を下る一歩が、今までの記憶の一つ一つをよみがえらせる。


もし・・・・・・・・私がここで負ければ、世界が滅びる。

大げさなことを言っているわけではない。

バラモスを倒せる勇者オルテガ、サイモンは、いない。

決して、この戦いに負けることは許されない。


「オルテガの娘、チェルトよ。

 よくぞ、ここまでたどり着いた。

 女と思い、少々見くびっていたようだな」


「おまえがバラモス・・・・・・・・・」


想像していたほど大きくはない。

私の10倍くらいだろうか。

だが、圧倒的な魔力を感じる。

いや、魔力ではなく”邪気”か。


「たいしたものだ、これだけの力。

 何しろ、一人でこの城まで来たのだからな。

 殺してしまうのはもったいない。

 どうだ、余の配下にならぬか」


「私が望むのは、おまえの首だけだ。

 それ以上でもそれ以下でもない」


「聞く耳持たぬか」


「当たり前だ!」


「ならば、苦しまぬよう、一撃であの世に送ってやるわ!」


「私は決して負けない!」




負けちゃったぁ


第104話 バラモス戦 ふぁいる2

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