【第199話】

砂漠の激戦


ラダトームをあとにした私は、力の盾を手にいれるため、

南にある、ドムドーラの町にいくことにした。

魔法の効力がある、この盾、 きっとこれからの旅に役立つはずだ。



ドムドーラの村は砂漠の中にあり、

そこまでいくには大変不便だ。

さらに、この辺は、魔物が凶暴で、

敵の強さが半端じゃない。


今、私が戦っているのは

サマオンサで死闘を演じた、

ボストロール2匹と、キメラ4体。


隙をつくらないように、常に動き、

相手に的しぼらせない。

剣をふりまわし、敵のど真中にはいり、あばれる。


「ギラァ!」


はぐりんも、キメラにギラをかけ、

敵を拡散する役をうけおっている。


キメラの炎を、はぐりんはすばやくよけ、

敵をひきつけてくれるおかげで

私はボストロール2匹に集中できる。


私は、稲妻の剣をふりかざし、

一体のボストロールにイオラの爆風で目をくらませる。


すばやく、稲妻の剣をさやにしまい、

ぼろぼろになった盾を投げ捨て、

背中から両手持ちの大剣、バスタードソードを抜き放ち、

もう一体に切りかかる。


あの巨体な怪力の前では、盾などあっても

意味がない。

であれば、決めるのは必殺の一撃。


幸い、砂漠の戦いで 足がとられることもあり、

相手の動きはそれほどはやくない。

足をとられるのは、こっちも同じなのだが、

こちらのほうが小回りがきく。


棍棒を振りかざして地面にたたきつけるのを

ぎりぎりでかわし、カウンターで下から上に

えぐるように、バスタードソードをふるった。


ボストロールの太い手が、

棍棒を持った手ごと、鮮血とともにふきとぶ。


「ギャァアアアーーーーー」


ボストロールの悲鳴が鳴り響くと同時に、

私は跳躍して、バスタードソードを頭につきさし、

とどめをさす。


いやな感触が手につたわり、顔をしかめる。


しかし・・・・戦いに情けは無用だ。

心を鬼にしなければ、戦いに生き残れない。


バスタードソードをそのままにしておきながら、

イオラの爆風から視界を回復しようとする

ボストロールに、再度稲妻の剣をぬきはなち、

遠距離攻撃で、イオラの嵐をあぶせる。

 

再度爆風が敵を覆う。

すばやく、背中に背負っているクロスボウに矢をのせ、

その爆風の煙の中に連射する。


何本かは矢があたり、

ボストロールの悲鳴がおき、

その場を逃げていった。


今度は、すばやく精神集中をする。


「はぐりん、よけて!

 ライデイーン!!!!」


雨雲をよびよせ、そこから、落雷をキメラの集団にたたきつけた。


雷の轟音とともに、 キメラのけたたましい叫び声も消えた・・・・・・



第200話 無言の親友

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