【第202話】

イオナズン


赤い霧。

魔王の側近の魔王の影と呼ばれる化け物。


実体のない奴を倒すにはどうすれば・・・・




私はあたりに向かって、稲妻の剣を振りかざした。

魔法を帯びた剣による軌跡は

あとに残像が残る。


しかし、その赤い霧に剣をふるっても

なんの手ごたえがなかった。


”無駄だ・・・・”


わかってる・・・・

そんな簡単に相手の姿がつかめるとも思ってない。


次に、稲妻の剣の魔力を使い、イオラの玉を放つ。

一発目に遅いイオラの玉を放ち、玉が空爆する前に

二発目に、早いイオラを放ち、一発目に当て、

イオラの力を数倍に倍増させる。


巨大な爆音が辺りにこだまする。


魔法使いや賢者ではない私は

空爆の上級魔法イオナズンが使えないので、

稲妻の剣を使うことで編み出した戦術の1つだ。


実体が見えない敵には、いろいろな種類がいる。


たいていは本体がどこかに潜んでおり

それを見抜き戦う。


実体が見えない敵には一般的に二つの攻撃方法がある。

1つは、相手が攻撃をする瞬間、

こちらも攻撃する。


ただし、これは、相手が直接攻撃してくる敵に限る。

もう1つ、遠距離攻撃を仕掛けられた場合は、

そこからの殺気を感じ取って位置を特定し、

魔法による攻撃をする。

だから、精神力をとぎすまさなければ行けない。


私はそのイオラの爆風で、敵があぶり出されるのをまち、

さらにイオラの剣をふりまくった。


それと同時に、上空に雨雲を呼び寄せ

ライデインをいつでも使えるようにする・・・・


姿を現した瞬間、ライデインでねらいをつけて

勝負をつける


さぁ・・・・姿をあらわせ・・・・・


爆風がおさまった。


しかし、奴は姿をあらわさなかった。


「・・・・・・・どういうこと?

 ・・・・もしかして・・・・やったの?

 それとも・・・・・逃げた?」




第203話 実体なき敵

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