【第216話】

かわいい寝顔


吟遊詩人ガライから、王者の剣と勇者の盾についての話を聞いた私。

王者の剣をつくるオリハルコンの場所はわからかったが、

マイラの村に、アレフガルド一の鍛冶屋がいると聞く。

また、勇者の盾はラダトーム近くにある沈黙の洞窟の中の

魔王の爪あとにあるという。




「本当にいろいろありがとうございました。

 助けて下さっただけでなく、

 こんなに親切にしていただけるなんて。

 必ず、大魔王ゾーマを倒して見せます」


「えぇ・・・・

 ただ、大魔王の城は、とてもだけれど、

 たどり着けるところではないのでは。

 魔王の城に渡るには海をこえて、

 絶壁を超えないといけないから・・・・」


「そうですね。

 でもきっと何か方法があるはずです」


「そういえば・・・・・

 今思い出したことがあって」


 いにしえの黒曜石

 神に選ばれし勇気ある者

 一度触れれば

 太陽の輝きを取り戻す

 
 精霊に守られし杖

 命吹き込めば

 雨雲の力が宿る

 
 雨雲に集まりし、聖なる雨

 偉大なる太陽の光

 雨と太陽が合わさるとき・・・・

 虹の橋がかかる


「あぁ・・・・聞いたことあります。

 確かラダトームの王様もそんなことをおっしゃっていました。


 その1つ太陽の石はもっています」


私は道具袋から太陽の石をとりだしてガライに見せた。


「さっきから、あなたの持っている袋から

 感じていた生命の波動はそれだったのね・・・・


 あら・・・・

 ・・・・・気のせいかな?」


「どうしました?」


「いえ、何か、あなたの持っている袋から

 まだ他に何か感じたものですから・・・・」


「え?

 あ、あぁ!

 はぐりんのことですね」


私は道具袋からはぐりんを出してあげた。

すると、はぐりんは、私とガライの話をきいているうちに

眠ってしまったようだ。

その寝顔はとてもかわいらしい。


「はぐれメタルね」


「はぐりんって言います。

 私の大切な仲間です」


私ははぐりんを優しくなでてあげた。


「・・・・・・・」


「とってもこの子優しいんですよ」


ガライは無言でうなずいた。

魔物と竪琴を通じて話せるガライには

気持ちがわかると思う。


人間も魔物も関係ないのだ。


「・・・・・でも・・・・そのはぐれメタルは・・・・」


「どうしました?」


「いえ・・・・」




第217話 ガライの疑問

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