【第243話】

一足違い


ラダトームに来た私は、王様に城の書庫に案内してもらい、

オリハルコンの文献を見てみた。


すると、過去にドムドーラの村にオリハルコンがとれたという

記録が記されていた。

私は、砂漠をわたり、再度ドムドーラの町に向かうことにした。

ドムドーラも以前、訪れたところなので

ルーラが可能だった。


しかし、町の中に、オリハルコンの話をきいたが、

ほとんどの人が首を横にふるばかり。


そもそも、オリハルコンという金属の名前すら

知られていない様子。


ドムドーラの町で、オリハルコンが採れたのは

百年以上も前の話だから無理はない。


そこで、私は、ドムドーラの町長に会う事にした。

町長さんなら、町のことは把握しているから、知っているかもしれない。



「そうですか・・・オリハルコンを探しにこの町へ・・・

 たしかに、オリハルコンの発掘場はあります。


 そして、もう使われていない発掘所で、

 数日前にオリハルコンがとれたのです」


「ほんとですか!」


「はい・・・

 ですが・・・・・」


「どうなさったのですか?」


「実は、あなた様と同じように、オリハルコンを探しに

 この町に訪れた方がいまして。

 そして、その方にオリハルコンの発掘所をお教えしたのです。


 むろん、私達は採れるとは思っていなかったので

 無駄なことをやめるようにいったのですが、

 その旅のものは、一人でオリハルコンの採掘場にとりにいったのです」


「その人が、オリハルコンをほりあてたのね?」


「えぇ。

 わずかな量でしたが、私に見せに来ました」


「じゃぁ、その人がオリハルコンを持っていってしまったと」


「えぇ・・・・

 きっと、そのオリハルコンが本当に

 最後のオリハルコンではなかったのではないでしょうか?」


「そっか・・・・ちょっと遅かったか・・・・・」



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