【第262話】

オルテガの手がかり


大魔王がアレフガルドを完全に支配下に置くため、

人間との戦争が始まった。

魔王は、ラダトームとメルキドに、魔物を攻め込ませ、

そこを侵略して、アレフガルドを支配下に置こうとしているらしい。

しかし、ドラゴンやヒドラといった、上級モンスターによって苦しめられる。

そこを救ったのは、「オルテガ」だと・・・・




「オルテガって・・・」


あまりのことで、声を出すことができない。


ラダトームで一度、オルテガという名の戦士の名前は聞いたけれど・・・


頭の中が真っ白だった。

突然のことだったから。

何から聞いていいのか。


オルテガという人はまだ生きているのか。

どういう人なのか。

お父さんのことなのか。

それともまったく別の戦士なのか。

今どこにいるのか。

父さんであってほしい・・・・


いろいろな感情が私のこころをしめた。



カンダタも微妙な顔をして、私のことを見ている。

当然ながら、オルテガのことは知っているはずだから。


「なぁ・・・・そのオルテガっていうのは・・・

 どういうやつだったんだ?」


カンダタが私が何も答えられないのを見て代弁してくれた。


「えぇ、すごい戦士です。

 鍛え抜かれた肉体、

 大柄な体の方ですが、その身体からは信じられないような

 早い動きで、次々とモンスターを倒し、

 後方にいたヒドラもたった一人でしとめた方でした」


それが父であるかという確証はない。

父の顔ももう覚えていない以上、

実際に本人に会って確かめるしかないのだけれど・・・

でも・・・・・でも・・・・・・


「今、そのオルテガという方は・・・どこへ?」


どうにか声を振り絞ってそれだけのことを言えた。


「オルテガさんは、”ドラゴンロード”へ行かれました」


「ドラゴンロード?」


「はい。今回の戦で、どうにかオルテガさんの力と

 メルキドの城塞のおかげでこの街は守れましたが

 次の戦では、大魔王も総力をかけて、メルキドを落とそうとするでしょう。

 それを回避するため、オルテガさんは、竜神の力を借りに、

 ドラゴンロードと呼ばれる山頂へ向かいました」


第263話 竜騎士伝説

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