【第285話】

ドラゴンロード


野営をしていた私とはぐりん。

突如地震がおき、ドラゴンロードの方角に炎の柱が見えた。

あれは噴火による炎ではない。




全力でドラゴンロードの山に向かって走る。

思ったほどの距離がなく、

ドラゴンロードの入り口がすぐに見えてきた。


しかし入り口が見えたときには

地震も収まり、炎の柱も消えかけていた。

それでも私達は走ることをやめず

ひたすらドラゴンロードを目指した。


入り口についたときは炎の柱も完全に消え

辺りは何事もなかったように静まり返っている。


「ここが・・・・・・ドラゴンロードよね?」


目の前にそびえたつ山には

何物かの手によって舗装され、

頂上までひたすらまっすぐ一本の道がみえる。


先ほどの炎はいったい・・・・・


いや、ここで悩んでいる場合じゃない。

お父さんがいるかもしれないんだ。

疲れている体に鞭をうってドラゴンロードをかけあがる。


ドラゴンロードを登っていくと道のかたわらに

キメラや、グール、マクロベータなど

魔物の死体が結構な数、横たわってた。


「これは・・・・・・・・」


あまり死体をまじまじとみたくはなかったが

気になることがあって、立ち止まってしまった。


魔物たちの傷は刃物による切り傷だったのだ。


ということは・・・・・・・・・

人間と魔物が争ったということだろうか?


魔物でも刃物を使う種族はあるが・・・・

しかし斧ではこのような切り傷にはならない。

たぶん、剣による傷じゃないだろうか。


魔物が同士討ちをしたとは考えにくいし

やはり・・・・この上に、オルテガと呼ばれる人が・・・・


少なくともここに人の死体はないようなので

オルテガと呼ばれる人物はもっと上に登ったということは確かだ。

こんなところに凶暴な魔物と戦って

危険をともなって登る人などいないからだ。

メルキドで聞いたオルテガに違いない。


「父さん!」


私はドラゴンロードの頂上を目指してかけあがった。


第286話 甘さの克服

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