【第29話】

託された願い


夜が更けてきた。この暗い中、旅に出るのは危険だから、

明日の朝に出かけることにしよう。

私は、適当な小屋を探し、一眠りしようとベットに横たわった。

ランプに火をつける。こうすると少しは落ち着くわ・・・・・・

私は静かに眠りについた・・・・


「ちょいと、お前さん、起きてくれよ!」

「・・・・・・・ん・・・・・・」

・・・・・誰かが、私を起こす・・・・・・

えっ!誰か!

「はっ!」

「やっと起きてくれたかい、お嬢ちゃん?」

「あ、あ・・・・・」

「起きたんなら、悪いんだけれど、出ていってくんないかね。

 勝手に人のうちにあがってもらっちゃ困るよ」

目の前におばさんがいる。寝ぼけているのかしら?

あっ、そうか、他の国からこのテドンに来たのね。

「あ、あのぉ、あなたは、何処の国からいらしたんですか?」

「はぁ?お嬢ちゃん、まだ寝ぼけてるのかい。ここはあたしのうちだよ!」

 とにかく、さっさと出ていっておくれ」

何が何だかわからないまま、寝ていた小屋を追い出されてしまった。

うーん・・・・・・・・まだ頭がぼぉーっとするわ。

頭をさますため、ぶらぶら、街をあることにした。

そこで私は気が付いた。

驚いたことに、町中に人がいるのだ。しかも、たくさん。

いったいどういうこと?


「なんじゃと、この町はすでに魔王軍に滅ぼされているんじゃないかと?」

「えぇ・・・・・・」

「なら、ここで話しとるわしは何なのじゃ。 冗談も程々にせい!」

「そ、そうですよね・・・・・失礼しました」

その辺を歩いていたおじいさんに、このような唐突な質問をしたが、

怒られてしまった。どうやら、テドンの住人らしい。

でも、ここの人達はすべてバラモスに滅ぼされたはず。

わたしは夢を見ているの?

さらに町の中を歩き続ける。

と、急に誰かに腕を捕まれ、町の路地に連れ込まれた!

「ん!・・・ん!・・・・」

口を布でふさげれ、声が出ない・・・・・

「お願いです。静かにしてください。  あなたに危害を与えるつもりはありません」

なによ、こんなことしておいて、じゅうぶん与えているわよ!

必死にもがく私。

「あなた、オルテガさんの娘さんでしょ!」

えっ!

「だから、じっとしていてください」

この人、父さんを知っている。私はしばらく彼の言うとおりにした。

しばらくすると、大勢の兵士達が大勢やってきて、何かはなしているようだ。

「おい、見つかったか!」

「いえ、見つかりません」

「まだ、遠くには行ってないはずだ、すぐ探し出せ!」

「はっ!」

どうやら、この男の人を捜しているようだ。

兵士達が去った後、ようやく布をとってくれた。

「さっきは、申し訳ありません」

「うん・・・・・いいんだけれど・・・・・

 それより、お父さんのことを知っていたわよね。どういうことなの?」

「それは・・・・・

 実は、これを依然オルテガさんに渡そうとしたのです」

といって、彼は、きれいな布に包まれた物を私に手渡した。

「見ていい?」

「ええ」

「・・・・こ、これは、グリーンオーブ!!」

無言で頷く彼。

「これをどうしてあなたが・・・・・・・」

「これは、私が、ある貴族から盗んできた物です。

 その時、捕まりまして、私は死刑になるところだったんです。

 ところが、この町に、偶然オルテガさんが来まして・・・・・・

 オルテガさんの名前は、この町でも有名でしたから、

 彼の頼みで、私は命を救われたのです」

「父さん、この町に来たんだ・・・・・・」

「はい。しかし、当時私はこれがグリーンオーブとは知らなくて。

 オルテガさんに助けられた後、彼からいろいろなことを聞きました。

 そこで、オルテガさんがオーブを探していることを聞いたのです。

 その時、オルテガさんは、私がただの宝石を盗んだと思っていたので、

 それがオーブだとは知りませんでした。

 あとになって、オルテガさんが探している物だと知って、

 私はもう一度、その貴族の屋敷に忍び込んだのです。」

「・・・・・・・・・・・」

「ですが、オルテガさんは、この町を去っていた・・・・・・

 私は、また捕まり、死刑宣告されました。ですが、これを渡すまでは、

 死ねない・・・・・・そして、脱走したのです」

「なぜ・・・・・なぜ・・・・・・そこまでお父さんのためにするの?」

「オルテガさんは希望だからです!

 あの方は唯一、この世界を救っていただける方だからです!


 ・・・・・以前、私の娘は、魔王軍の魔物に殺されました。

 ちょうど、あなたと同じくらいの年です・・・・・・

 それからというもの・・・・毎日・・・・毎日娘が殺される夢を・・・・・

 もう・・・・・・もう、こんな悲劇を起こしたくないんです!」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・一目見たときから・・・・・

 あなたが、オルテガさんの娘さんだとわかった。

 頼みます!あなたから、これをオルテガさんに渡してください!」

「・・・・・わかりました。たしかに、父さんに渡します・・・・」

オーブを受け取った後、彼の姿が薄れてきた。えっ!

「さよなら・・・・・」

ちょっと、なんで!

彼だけではなかった。この町の風景、大勢の人達も

一斉にゆがみだした。


そして、誰もいなくなった・・・・・・・


翌朝、牢屋の近くで血でかかれた文字を見つけた。

死ぬ前にオーブを渡せて良かった・・・・・

その文字を見たとたん、言葉では言い表すことのできない、

感覚におそわれた。

この不可不思議の出来事が何故起こったのかわからない。

だけど、これだけは言える。

人々の期待・・・・それを裏切るわけにはいかない。


私は、この町を後にした。

体に染みついたこの町の血の匂いは、しばらく消えなかった。


1話で書くつもりが第27、28、29話の三部作になってしまいました。

しかも、かなり長かったです。

思いっきり暗いストーリーにしてみたんですが、

だんだん、冒険日記と言うより、小説を書いているみたいに

なってきましたね。

この町で行ったのは、ただ、 グリーンオーブ闇のランプ

を手に入れただけなんですが(経験値もたいしてあがっていないし)

それをただ文章で書くだけじゃ、面白くないですよね。

そこで、この二つのアイテムを無理なく、

ストーリーに組み込んだつもりなのですが、みなさんどうでした?

ちなみに、あの不可不思議の出来事は、人々の希望から起きたのか、

闇のランプの魔力のせいなのか、グリーンオーブの持つ力なのか

それは、みなさんのご想像にお任せします。

次回は、サマオンサのお城に乗り込むつもりです。

(今のレベルでいけるかなぁ?まだ、ベホイミ覚えていないんですよ。

 それに、大学テスト中だし。

 アセンブラと人工知能とC++の試験があるんですよ・・・・

 留年リーチの私ですが、がんばってドラクエやります。)


第30話 サマンオサ

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