【第319話】

サタンパピー


ルビスの塔と思わしき塔についた私。

塔の入り口には無残な死体が魔物達に

食いちらかされていた。

そして突如響き渡るおたけび。




私は天井に目をむけた。

そこから二匹の悪魔が私をめがけて襲ってきた。


魔物の一匹が思いっきり強靭な爪をふるい

私を切り裂こうとしたが、冷静に盾をかまえて

一匹の攻撃をやりすごした。

どんな時でも取り乱しをせずに冷静に対処する

そうしないと戦いでは生き残れない。


勇者の盾に魔物の爪があたり、金属がこすれるような音がする。

盾には傷一つつかなかった。

もう一匹が横から攻撃を加えてきたが

バックステップをしてすれすれで攻撃をかわす。


距離をあけたところで、稲妻の剣を抜き放つ。

二匹の魔物は剣を抜いた私を見た後、

お互いにキィキィと叫びながら何か話している。


きっと、私のことを


”どうする?”


”食ってやる”


そんなところだろう。


一匹がブツブツ何かを言いだして、もう一匹が

襲いかかってきた。


呪文か?


しかし襲ってくる前方の魔物を無視するわけにはいかない。

迫ってくる魔物に稲妻の剣をふるった。

だが、襲いかかってきた魔物は翼を使い上空を飛ぶ。

そのあと、巨大な火の玉が飛んできた。


「メラゾーマ!?」


もう一匹の後方にいた魔物が極大炎の魔法を唱えたのだ。

人一人を焼き殺すには充分な大きさだ。

かわすのは不可能と察し

勇者の盾をかざして、ダメージを受けるのを覚悟して

メラゾーマの炎を勇者の盾で受けとめた。


巨大なメラゾーマに吹き飛ばされる私。

勇者の盾の防御で炎そのものをほとんど防御できたが

サラマンダーの炎とは違い、魔法による打撃でダメージをうける。

それでも、新しい雷神の鎧がダメージをかなりやわらげてくれたはずだ。

ダメージを受けた後すぐにベホマを唱えるが、このままでは防戦一方だ。


稲妻の剣でイオラを放ち、メラゾーマを唱えた魔物の一匹の攻撃を封じる。

もう一匹が再度空から襲ってきたが

今度はこっちから盾を思いっきり叩きつけてやった。

魔物の腕は盾にあたり折れ悲鳴をあげる。

そこへ稲妻の剣を叩きつけ、魔物の命を絶った。

そしてイオラの中の爆風に突っ込み相手の気配に向けて

思いっきり剣を横にふるった。

狙いははずれることなく、もう一匹の魔物も葬った。


はぁ・・・・はぁ・・・・


少し息をきらせる。

やはりここは魔物の住処だ。

塔に入った最初から、これか・・・・・・


第320話 右か?左か?

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