【第339話】

モンスターハウス


塔の五階から落とされ、私は地面に強く叩きつけられた。

体がバラバラになったような感覚で瀕死の重傷を負ったが、辛うじて助かる。

一階にまた戻されたことはショックだったが

命さえあれば、またチャレンジできる。




私は重い腰をあげ、辺りを見回した。

するとここは、最初に来たところとは違い

一階の周りは高い壁が立ちはだかり、外から入れないようになっていた。


「・・・・・・これは・・・・・・・」


中に入る扉があったので私はとりあえず塔の中に再度入ることにした。

そこは最初にマッピングしたところとは違うところのようで

通路の先には、すぐに二階に続く階段が見つかった。

私は二階の階段を上がっていくと、今度はすぐに三階の階段があった。

そして三階を登ると、四階の階段がすぐに・・・・


つまりこの場所に来るには、上から落ちてくるしか方法しかないのだ。

ということはこの部屋に入るには

五階からロープをたらして、一階に降りてくるか

もしくは翼がある魔物とかしか入れないのではないだろうか。


一歩間違えれば命を失っていたがこの部屋を見つけたのは

トラップに引っかかった不幸中の幸いだったのかもしれない。


ここまで凝った仕掛けをして、上まで直通しているところを見ると

いよいよ求めるものが先にあるような気がする。

長い戦いで培った勘がそう言っている。

四階を行くと、さらに五階へ続く階段がすぐに見つかった。


五階で落とされた先ほどのところは

外壁がなかった塔の外側にいたのだが

今度は塔の内壁にいるというわけだ。

階段を静に上がっていく。





”ウゥ・・・ウゥ!!!!!”


不気味な声が辺りから聞こえてきた。

階段からだ。五階に続く階段から魔物たちの呻き声が聞こえてきた。

しかも一匹や二匹ではない。


私は恐る恐る五階への階段に近づき階段を少しずつ登った。

そして五階に少しだけ頭を出してみた。

視線は五階の床すれすれである。


そこは大広間だった。

そしてその大広間には・・・・・

三百は超えるであろう魔物の大群が見えた。


第340話 決断

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