【第426話】

バラモスゾンビ戦3


バラモスゾンビの強さの秘密はその速さにあった。

今までの魔物を凌駕するスピードに私は後手にまわされた。

そしてバラモスゾンビの咆哮が私の体を呪縛する。




バラモスゾンビが目の前に接近して、翼を振り上げていた。


(まずい…このままでは確実に殺される)


ドラゴンには翼が腕のようなものだ。

あの翼の直撃を食らえば、鎧が無事でも私の体は砕ける。

直感的にそう感じた私は反射的にアストロンを唱えた。


絶対防御の魔法。

こちらの行動は全くできなくなるが、いかなる攻撃も受け付けない。

体が鋼鉄の塊と化したのと、バラモスゾンビの翼が私の体を打ちつけたのはほぼ同時だった。


そこから私の意識は消える。




アストロンを唱えている最中、時の間隔や意識はない。

アストロンが解けて、意識が戻らなかったら

呪文が間に合わず、死んでいるということだ。


だが、意識が戻ってきた。

徐々にではあるが。

体の痛みは…ない。

手を握り締める。

うん…動く。


徐々に視界が広がっていく。

目の前に右の翼を失ったバラモスゾンビが暴れていた。


何故バラモスゾンビが翼を…


そうか!

きっとアストロンがかかっている私に向かって翼を打ち込んだことで

自らのスピードが仇となり、翼を砕いてしまったのだろう。


このチャンスを逃すわけにはいかない。

体の自由を取り戻した私は勇者の盾を前に、王者の剣を横に構えながら突進した。


第427話 バラモスゾンビ戦4

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