【第60話】

頂上を目指して


祠の洞窟で勇者サイモンからガイアの剣をもらい受けた私は、

お父さんが落ちた、この世界に一個しかない火山に

行くことにした。

・・・・・この場所には行きたくなかった・・・・・・


ほんとは、一番最初に来るべきだった。

アリアハンを旅立った後すぐに・・・・・・

でも、怖かった!!!


お父さんが、落ちたという火山。

知らず知らず、避けていたのかもしれない。

自分の目で確かめるのが、嫌だった。


心のどこかで、父さんは生きていると信じていた。

しかし、それなら、どこかで今でも生きているという情報を

聞いていたはず。

そのため、各地、いろいろなところを回った。

世界中、探すだけ探した。

でも、お父さんがいたというのは、火口に落ちる前のことばかり。

それ以上の証言は聞くことができなかった。

だから、この場所には行きたくなかった。

ここが最後だからだ。

ここにいなければ、もう父さんは・・・・・・・・


船を近くの浅瀬につけて、上陸する。

これから、この山を登るわけだ。

今は休火山となっている。

襲ってくる敵を、適当にあしはらい、

ひたすら頂上を目指す。

考えている暇はない。

ただ、父さんを探して。

お願いだから・・・・・・・・お父さん・・・・・


第61話 現実

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