【第84話】

時が経てば


ムーンの屋敷に向かう私。

門の前にたっていた怖いお兄さんの二人組はもういない。

ノックもせず、屋敷の中にはいる。


「お久しぶりです」


「来おったか・・・・・・・・・」


今話している相手は、ムーンをこの場所に引き留めた

スー族の血をひくおじいさん。

あの時とはずいぶん態度が違う。

そりゃ、そうよね。

こんな時に、おふざけなんかできないし。


「ムーンにここに来るように言われて・・・・・・・・」


「そうか・・・・・・・・ムーンに会ってきたか・・・・・・・」


「えぇ・・・・・・」


「ムーンは良くやってくれた。

 ここまで街を大きくできたのはムーンの力無くしてはできなかった。

 それは街のみんなもよくわかっておる」


「はい」


「きっと、時が経てば、ムーンは釈放されるじゃろう。

 最近来たよそ者はムーンを嫌っている物もおるが、

 最初から彼女と一緒にこの街を作った人間は

 わかっているはずじゃ」


「そうですよね・・・・・・・・・」


きっとわかってくれる。

だって、ムーン、いい子だもん。


第85話 ラストオーブ

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