【第100話】

はぐりん


「キミがボクの家を壊そうとするんだもん」


突如表れた謎の物体。

あやうく、窒息死するところだったわ。

でも、悪い奴ではなさそう。


「ボク、はぐりんっ!」


「・・・・・・・・・」


「キミの名前は?」


「えっ?」


「名前はぁ〜?」


「あ、あぁ・・・・・私はチェルト。

 チェルト・フレイユよ」


「ふ〜ん、チェルトかぁ〜

 いい名前だねっ!」


「あ、ありがとう・・・・・・・・・」


いきなりのことであっけにとられている私。


「ねぇ?」


「えっ?」


「お外の世界はおもしろい?」


まるで邪念がない。にこにこした笑顔で聞いてくる。


「え、えぇ。面白いわよ。

 外には、海や山、動物がいっぱいいるの。

 海は、きれいなブルーで山は緑色におおわれていて

 季節によって赤や黄色にかわるの」


「へぇ〜」


「きれいなお花やいろいろな人、音楽なども、いっぱい存在して」


「楽しそうだなぁ〜

 ボクね、生まれてからずっと一人だったから

 お父さんもお母さんも知らないんだ」


「お父さん・・・・・・・・」


第101話 光

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