【第110話】

一つの疑問


絶体絶命のピンチ。

生きることをあきらめてしまった私。

そのとき、はぐりんが一枚のキメラの翼をもってかけつけてくれた。

私ははぐりんを抱きかかえ、翼を投げた。


ん・・・・・・・・・・

ゆっくりと目を開ける。

・・・・・どうやら生きているみたいだ。


「大丈夫、チェルト?」


腕に抱えているはぐりんが心配そうに声をかけてきた。


「うん、はぐりんは?」


「ボクも平気!」


「私たち、助かったんだね・・・・・・よかった・・・・・・」


ほっと胸をなで下ろす。

あれ?

涙が。


「はぐりんが・・・・・・はぐりんが助けに来てくれなかったら

 きっと、私死んでいたと思う・・・・・・・

 ありがとう、はぐりん」


「えへへ!ほめられちゃったぁ」


プルプルするはぐりん。

どうやら照れているらしい。


「でもよく、キメラの翼なんか、持っていたわね」


「これ、キメラの翼って言うんだ。

 知らなかった。

 お城が崩れる前に、きれいなお姉さんが現れて、

 ”これを勇者チェルトに渡してあなたもお逃げなさい”

 って言われたんだ。

 ところで勇者って何?」


「きれいなお姉さん?」


「だから勇者って何?」


「・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・」


アハハハハ!

お互い、疑問があるとゆずらない性格のようだ。

でも・・・・・・・その女性とは誰だったんだろう?


第111話 夜のお星様

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