【第125話】

演技


王様を捜しに城下町に出たはいいんだけれど

群衆に見つかり、もみくちゃにされてしまったわたし。

いっこうにこの騒ぎが収まる様子がない・・・・・

しかたない・・・・・

この手で行くか・・・・



「あ・・・・あの・・・・・・・」


といって、ふらっと、倒れかける。


「チェ、チェルト様!!!」


「どうなさいましたか!?」


「い、いえ・・・・・・・ちょっとあまりの暑さに、

 めまいが・・・・・・・・

 何か、冷たい物が飲みたいわ・・・・・」


「今、私がおもちします!」


「いや、わたしが!!!」


「それと、涼しいところで休みたいの・・・・・・

 どこか、落ち着けるところないかしら・・・・」



はぁ・・・・・・

どうにか、まいた・・・・・


あのあと、近くにあった喫茶店に連れていってもらったの。


そこのお店の中で、お化粧室に行くと言い

その中で隠し持っていた普段着に着替えて、窓からエスケイプ。

これじゃ、泥棒じゃない・・・・・


でも、我ながら、かわいらしく演技できたと思う。

フフフ・・・・・私、演劇とかできるかしら?


んなぁんて、悠長なことを言っている場合ではない!


はやく、あの気まぐれな王様を見つけないと・・・・


さっきは、ドレスを着ていたので明らかに女王様だとばれてしまったが、

私の顔が一般の人にそんなに知られている訳でないので

私服での町の人の聞き込みは、結構たやすかった。


とはいえ、道具屋、武器屋、防具屋、宿屋などいろいろなところを

探し回っていたが、王様の情報が1つも手に入らなかった。


酒場は、まだこの時間、やっていないし・・・・・

どこに行ったのよ・・・・・


あと、人が集まるところと言うと・・・・


ん?

あそこは・・・・・


第126話 隠れた趣味

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