【第126話】

隠れた趣味


王様を捜すため、あちこちを探している私。

気がつくところはほとんど調べ終わった。

どこにいるんだろう?

もしかして、あそこにいるなんてことは・・・・・・・



「・・・・・騒がしいわね・・・・・・」


うんざりした口調でつぶやいた。

今、わたしはロマリアの城下町に一個だけある格闘技場に来ている。

人が集まるところと言うと、こんな所しかない。

ここで、王様の情報を得られるかしら・・・・・


ちなみに、格闘技場とは、モンスター同志を戦わせ、

どちらが勝つか?

を当てる、賭事をするところ。


わたしは、賭事は好きでないので

(お金自信、あまり欲しいとも思わないし)

まったく知らない世界なんだけれど

わたしが、ここで賭事をするわけでないし、情報を集めるだけだから・・・・


その辺の人に声をかけてみようと思ったとき、

格闘技場の観客席で、やたらと興奮している初老のおじさんが目についた。

どうやら、何回も賭に成功して、大儲けしているようだ。


・・・・・・・・ん?

もしかして、あの姿は!?



「おうさま!」


「ん?

 おぉ~チェルトか!

 こんなところで会うとは奇遇だのぉ~」


「奇遇だのぉ~

 じゃないですよ!

 ずっと探していたんです!」


「なんじゃ、お主もやりたかったのか」


「違います!」


そんなこと、いっていないじゃない!

この王様のペースに巻き込まれてはダメだ。


「王様、わたしは女王になりたいとは思っていないです!」


「しかし、あの宴で言ったではないか」


「あ、あれは・・・・その冗談で言っただけで・・・・・

 で、でも・・・・・・本当に王位を渡すなんて、思いもしなかったです!」


「お主は愚痴が多いのぉ~」


「だから、違います・・・・・・」


もう半べそ状態だ。


「わかった、わかった。

 要するに、王位をつぎたくないというのじゃな」


「・・・・・・はい・・・・・・」


「しかし、お主も言ったことに責任を持たなければいかん。

 そ・こ・で・じゃ!」


ま、また・・・・・この王様・・・・

何かたくらんでいるでしょ・・・・・


第127話 賭け

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