【第128話】

残虐な行為


グリズリー、メタルスライム、鬼面導師、キラーアーマー、シャーマン

の5匹によるサバイバルバトルが行われた。

王様は、シャーマン、私はキラーアーマーに賭けた。

これに負けると・・・・・私はどうなるんだろう・・・

いや、自信がある。

大丈夫よ・・・・・



最初に動き出したのは、血の気の多いグリズリー。

一目散に、鬼面導師に襲いかかった。

鬼面導師は、メダパニの呪文を素早く、唱えた。

効果てきめん。

グリズリーが暴れ出した。

キラーアーマー、シャーマンは冷静にすぐその場を離れた。

だが、呪文を唱えて、消耗している鬼面導師が最初の餌食となった。

振りかざされたグリズリーの剛腕が、鬼面導師の腹を切り裂く。

辺りには、血が飛びちり、倒れる鬼面導師。

思わず、目を背ける。


まだ、息があるようだが、戦闘続行は・・・・・・もう無理だろう・・・


自分でモンスターと対峙するとき、やむを得ず戦うときはある。

しかし、できるだけ、わたしは、

どうしても戦う必要があるときしか剣は使わない。

それでも、敵を傷つけ、息の根を止めたこともある。


でも・・・見慣れていた光景なのに・・・・・

やはりひとすぎる。


残虐シーンはこれで終わらなかった。


混乱したグリズリーは、

メタルスライムを踏みつぶし、

メタルスライムは、絶叫をあげ、銀色の液体があたりにとびちった。


さらに、今度は、シャーマンねらい付け、襲いかかる。

対抗しようと槍をつきだして、手傷を負わせるが、

おかまいなしに、グリズリーは、シャーマンの頭に食らいつく。

頭蓋骨の砕ける音がここまで響きわたった・・・・

あれでは一瞬で絶命だろう・・・・


頭を失ったシャーマンは釣り糸がなくなった操り人形のように倒れる。

その死体の腕を引きちぎり、グリズリーがむさぼるように食べる。

さすがにこの光景には、多くの観客が顔をゆがめている。


そこを、後ろから、キラーアーマーが跳躍し、

グリズリーの頭をシャーマンの死体といっしょに槍で、貫いた。


勝負は・・・・・ついた・・・・・・

キラーアーマーは一言も発せず、会場を後にした。


後には、大量の血を流しながら、うめく鬼面導師、

グリズリーの頭と、シャーマンの銅を2体串刺しにしている

キラーアーマーの槍だけが残った・・・・・・・・・・


第129話 敗者の辿る道

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