【第140話】

バスタードソード


大魔王の放った雷撃でたくさんの死者がでた。

宴はすぐに中止になり、すぐに軍事会議が開かれた。

今回起きたこと、大魔王ゾーマのことは、

まだ他の人には内密にということだ。

それはそうだろう。

せっかく平和になったのに・・・・・・

新たな侵略者がこの世界を覆い尽くそうとしている。


会議が終わり、ここに残っているのは、

王様と大臣と、私だけ。

真っ青な表情で、二人とも私を見ている。

 

「ゾーマの件はもう少しおいてから考えようぞ・・・・・・

 わしの方もまだ考えがまとまらん。

 しかし、このまま降伏した方がよいように思える・・・・・」

 

「王様!」

 

「お主は今日はもう家にかえるがよい・・・・・・・」

 

「わたしが・・・・・・・・・・・わたしが倒して見せます・・・・・・・」

 

自信がないが、言ってみた。

もちろん、軽い気持ちではない。

今の力でゾーマが倒せるか倒せないかは別問題。

でも、父さんが夢見たこの世界を壊すわけには行かない。

それだけは言える。

わたしは世界が平和になる限り、戦い続ける・・・・・・・

 

「何を言うておる。 

 あのバラモスを操るものがいるのじゃぞ?

 さすがにこの世界はもうおしまいじゃ・・・・・・・・」

 

「戦う前から、あきらめてどうなさるんです!?

 ・・・・・・・・・わたしは王様が止めても行きます。

 ・・・・・・・・もし・・・・・・・・・父がこの場にいたら・・・・・・・

 やはり同じことを言うと思います」

 

決意を固めて、王様の瞳をしっかりと見つめた。

 

「・・・・・・・・・・・・・

 血は争えんか・・・・・・・・・・・

 わかった・・・・・・・・・もう止めはせん。

 ・・・・・・・・・お主に渡したい物がある。

 ついてくるがよい・・・・・・」


 

王様に言われるとおり、あとをついていった。

どうやら、宝物殿のようだ。

その宝物殿のなかへ王様が歩いていくので、さらについていく。

すると、一番奥に剣がまつられていた。

 

「チェルトよ、これをうけとるがよい」

 

「この剣は・・・・・」

 

「アリアハンに代々伝わる、国宝、バスタードソードじゃ」

 

バスタードソード・・・・・・・・すっごく、大きな剣。

両手持ちの大剣ね。

 

「この剣は、あまりに大きく、使いこなせる物がいなかった。

 オルテガなら使いこなせたかもしれないが・・・・・

 今のお主なら使いこなすことができるじゃろう。

 受け取るがよい」

 

「いいのですか?

 このような大事な物を・・・・・・」

 

「この場においてあってもただの飾り物だ。

 それよりは、お主に使ってもらった方が何倍も良いじゃろう。

 わしにはこのくらいにしかできん・・・・・」

 

「ありがとうございます・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・それと最後に約束してくれ」

 

「はい?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・死ぬな」


第141話 嘘

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