【第148話】

向上心


なんか、すっかり酔いがさめちゃったな・・・・・・

久々 会ったミリーとまじめな話をしている。

ミリーにとって私の存在は何なのだろうか。

親友・・・・・・だと思う。

友達より親しいとかいて、親友。

でも、親友ってどういう間柄のことを言うのだろうか?


「ねぇ・・・・・ミリー・・・・・・・」

 

「ん?」

 

「私は、ミリーの方がすごいと思うよ」

 

「・・・・・・・・・何で?」

 

「女の手一つで荒れ狂う海賊をまとえることって普通の人にできるかな?」

 

「それは、たまたま私が海賊に拾われたから・・・・・」

 

ミリーがちょっと悲しそうな顔をした。

ミリーは6歳の時、両親を失っている。

アリアハンから船旅に出たが、ミリー一家は

魔物に遭遇し、ミリーだけが偶然助かった。

 

ミリーは海賊に拾われ、そこで育った。

わたしも父さんを失っているけれど、

母さんが生きているだけ、 いいのかも・・・・・・

 

でも、ミリーはその悲しみを乗り越えて

今元気に海賊達と生きている。

精神的にもミリーの方が強いと思うし、

強力なリーダーシップも持っている。

逆に私の方が嫉妬しちゃう。

 

「やっぱり、ミリー、すごいと思うよ・・・・・・・」

 少なくとも私にはできない」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・だから・・・・・・ね、

 きっと、自分にできないことを人にされるとそれって、

 すごいという尊敬な気持ちになると思うんだ。

 でもね、それができないからって

 自分を卑下することはないと思う。

 だって、人には特性というものもあるし、

 生まれた環境も違う・・・・

 たどる人生も違う・・・・・・・同じ人なんて、いないもん・・・・

 そして、大切なことは、そこで落ち込むのではなく、自分が尊敬する人を

 真似して、自分でその人のことを目指して・・・・・

 それが自分への成長にもつながるし・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・うん・・・・・・

 そうだね・・・・・そうだよね!」

 

ミリーがほほえんでくれた。


ライバル心とは意味はちょっと違うかもしれないけれど

親友ってただ仲が良いだけじゃないかもしれないよね。

お互い自分にはない良い部分を相手に見つけ

自分にないと落ち込むかもしれないけれど

その親友にないものをみにつけてやる

という意気込みが、人を向上させ、

親友という関係ができるんじゃないかな?


第149話 眠気

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