【第149話】

眠気


「チェルト、おきなよ」

 

う・・・・・・ん・・・・・・・・・・

ね・む・い・・・・・・・・・

 

「チェルト・・・・・」

 

Zzz........

 

「そう・・・・・・起きないの・・・・・・

 ならこうしてやるっ」

 

コチョコチョ・・・・・・


「わっはは!!!

 い、いや!

 やめてぇぇええぇ~!!!」

 

誰かに脇をくすぐられ、大笑いして飛び起きてしまった。

 

「ん・・・・・・・・・ミリー?」

 

「おきたぁ?」

 

「おきたぁ?

 じゃないでしょ!

 何よぉ~~人が気持ちよく寝ていたのに・・・・・・・・」

 

不機嫌そうにわたしは答えた。

 

そう、あの宴・・・・・・ではなく、宴会の中

お酒が入っていたせいもあって、外で眠ってしまったのだ。

 

ん?

女の子なら、そんなはしたないことするなって?

だってぇ~~、ねむかったんだもぉ~~ん~

 

「それにまだ暗いじゃない?

 みんな、まだ寝ているし・・・・・・」

 

まわりの海賊はまるで討ち死にしているように眠りこけている。

 

「もう少し寝かせてよ・・・・・」

 

目をつぶり、また横になる。

 

「・・・・チェルトに見て欲しいものがあるの」

 

「見て欲しいもの?」

 

「うん」

 

ミリーの声が急にまじめになったので私の眠気もさめた。

 

「何?」

 

「ちょっとここから歩かないといけないから

 準備ができたら呼んで」

 

「私は、いいよ、このままで」

 

「そう?

 じゃぁ、いこうか。ついてきて・・・・・・」


第150話 黄金の海

前ページ:第148話 「向上心」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります