【第184話】

仕事疲れの朝


お手伝いさんの格好をして、お城に入り込んだ私は

台所のおかみさんに本当にお手伝いさんと思われ

有無も言わさず、本当にお手伝いをさせられ、

台所で膨大なお皿を洗うことになった。

昨日は、結局、お皿を洗った後、 城の探索をする気にもならず、

与えられた部屋で、眠ることになった。

 

翌朝・・・・・・



「ほら、早くおきなさい!!」

 

朝から元気な声が聞こえる。

 

「う〜ん・・・・・・

 眠いぃ〜〜」

 

寝ぼけ眼の私は、声の主にそう答える。

 

「ほら、早く起きなさい!

 ご飯を食べた後、今日も仕事がいっぱいあるんだから!」

 

仕事・・・ あ!

飛び起きる・・・

 

そうだ、私は今、ラダトーム城で

お手伝いさんのバイトをしているんだった。

いや・・・しているというか、間違えていられているというか・・・

 

「ご飯は、大食堂にあるから、それを食べた後

 皿洗い、それに掃除、やっておくれよ」

 

おかみさんは、そう私に言って、部屋から出ていった。

はぁ・・・・困った。

このまま、黙って出ていく わけにもいかないし、

とりあえず、しばらくはここで働き、

その合間をみつけて、図書館で文献を調べるしかないかなぁ・・・


ちゃぷちゃぷ・・・・

 

「う〜ん〜・・・・・

 手が・・・つめたい・・・・・・・」

 

ぶつぶつ言いながら、私は大量の皿を前に 流しで、洗ってる。

 

「っていうか、私はいったい、ここでなにをやってるの?」

 

私は情報をしいれるために、お城に入り込んだのに

まさか、本当にお手伝いをさせられるとは・・・・

それにしても、なんて,お皿が多いの・・・・

そりゃ、城中の兵士さんや文官さんの食器を洗っているのだから

量が多いのはわかるけれどさぁ〜〜

もっと人雇いなよぉ〜〜

すべての食器を洗い終わったときは

くったくたになって、私は座り込んでしまった・・・


今日も朝からもくもくと、皿洗いをする。

皿洗いが終わった後、各部屋のぞうきんがけ、

洗濯、料理の手伝い・・・なんでもやる・・・

 

私、体力は、当然ながらあると思っていたんだけれど

戦闘で使う体力とこういう体力は違うと思う。

ここの仕事が半端じゃなくつらいのもあるんだけれど

こういう仕事が疲れるというのをあらためて知った。

よく、男の人は、主婦は家にいるだけだから楽だとか いうけれど、

そんなことない。

主婦の人の仕事って結構大変だと思うよ・・・・


第185話 錆びた扉

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