【第20話】

田舎者


私は、アリアハンから一番近い大陸ランシールに行くことにした。

ランシールは消え去り草の名産地でここの大陸でしか取れないの。

消え去り草は体に振り掛けると姿が消えるという、珍しい草で

つい、ものめずらしさで買ってしまった。

この草が、後で役に立つことになるとは思いもよらなかったわ。

実は、この草を買った後、エジンベアという、ノアニールの町に結構近い

お城に行ったの。そこでね・・・・・・


「ここは、由緒正しい、エジンベアのお城だ。

おまえのような田舎者くるところではない。帰れ!」

「何よ!初対面でそんな言い方ないじゃない。

あんたこそ、その趣味の悪い鎧着てるんじゃないわよ。

アリアハンではそんなカッコ悪い人いないわ。」

「なんだとぉ!貴様!この鎧を馬鹿にするということは、

この国をけなしているのと同じだぞ!」

「なんでそうなるのよ、この短絡思考!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、あとはこのように売り言葉に買い言葉。

エジンベアのお城の門前で、一悶着起こしちゃったのよ・・・・・・

今考えてみると、少し言い過ぎたかなとも思うけれど

いきなり、田舎者はないわよねぇ。

でも、どうしてもお城の中を見てみたかったので、ここでさっき買った

消え去りそうを使って忍び込んでしまったのだ。


「遠いところご苦労じゃった。

田舎者だからとて、余は心が広い王じゃ。気にしないぞ」

(うぅーー

ここは我慢、我慢・・・・)

「あ、ありがとうございます」(引きつった笑顔で)

「さて、田舎者よ。ここでクイズでもしてみないか?」

「く、クイズですか?」(さらに引きつる)

「そうじゃ、田舎者。この城に地下に、3つの岩がある。

その岩をうまく床の模様まで運んで乗せるのじゃ。

そうすれば、このエジンベアの宝をそちに与えよう、田舎者

どうじゃ、やってみるか?田舎者?」


「もう!何なのよぉ!」

誰もいない地下室でチェルトの声がこだました。

「散々人のことを馬鹿にして。相手が王様じゃなかったら、

ビンタの一発でもしてやたったわ!」

ゴロゴロ・・・

チェルトは、怒りをあらわにしながら、岩を模様まで押していった。

そして、渇きの壷を手に入れた。

「こんな所、2度と来ないからね!」


おまけ

ひょうんなことから、全滅してしまってエジンベアに強制送還されたとき

おぉ、死んでしまうとは

何という田舎者じゃ!(実話)

そりゃ、ねえよ。


第21話 試練の洞窟

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