【第215話】

封印された伝説の品々


森の奥にすすむと、そこには一軒の小屋があった。

その中にはさっき、私達を救ってくれた唄の主がいた。

その人と話していて、人柄の良さが伝わってきた。




「あの・・・・・あなたが、吟遊詩人ガライさんでしょうか?」


「えぇ。

 もしかして、あなたは、私をたずねにこの森に来たの?」


「はい。実はガライさんにお聞きしたいことがありまして。

 私はチェルトと言います。

 実は・・・・・・・」


私は自分がアレフガルドの人間ではなく、他の世界から来たこと、

その世界で、魔王バラモスを倒したこと、

しかし、その魔王バラモスが、大魔王ゾーマの配下に過ぎなかったこと、

大魔王ゾーマを倒すために伝説の武器防具が必要なこと、

そのありかを、もしかしたら、アレフガルド中を旅をしている

ガライなら知っているかもしれないこと、

それらを素直に伝えた。


ガライは私が話すことに口をはさまず、

頷きながら、静かに聞いてくれた。


「そう・・・・・・・

 伝説の武器と防具の話は聞いたことがあります。


 伝説の武器の名前は・・・「王者の剣」

 そして、伝説の防具の名前は

 「光の鎧」と「勇者の盾」と聞いたことがあります」


「初めて、名前のほうは知りました。

 剣・・・・王者の剣は、以前、ラダトームの王様から

 お話しを伺い、大魔王により、壊されたと聞いています・・・」


「えぇ・・・・・

 オリハルコンという、この世で一番堅い金属でてきているようですね。

 その金属がこのアレフガルドに存在するかはわかりません・・・」


「そんな・・・」


「ただ・・・・

 マイラの村というところに、異世界から来た

 世界一の鍛冶屋がいると聞いたことがあります。


 その人なら知っているかも・・・・」


「マイラの村ですね?」


「はい。

 それと、光の鎧の話しはしりませんが、

 勇者の盾の言い伝えは知っています」


「ぜひ、教えてください」


「勇者の盾は、”沈黙の洞窟”にあります。

 なぜ、その由来がついたかは知りませんが・・・・

 その洞窟に入って帰ってきたものは、今の時代にはきっといないでしょう。


 そして、その洞窟奥深くに、”魔王の爪あと”と

 呼ばれるものがあるそうです。


 そこに大魔王ゾーマは、勇者の盾を封印したと聞いております」




第216話 かわいい寝顔

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