【第219話】

トロルキング戦


勇者の盾を探しに、沈黙の洞窟にきた私。

その由縁は文字通り、"音が存在しない世界"だった。

はぐりんが何かをうったえかけていたが、

私には伝わらなかった。

戸惑う私に背中に突然の激痛がおそう。



壁にふきとばされ、うめき声を発する私。

もちろん、声はきこえないが。

ゆっくり目をあけると、目の前によだれをたらした

棍棒をもった巨大な化け物が再度棍棒をふりかざした。


我に返り、私は体をひねり、ぎりぎりのところで

2撃目をかわした。

棍棒は壁を粉砕した。

恐ろしい威力だ。


化け物の姿をみると、サマンオサで戦った

トロルに近かった。

ただその体は、暗闇のせいか、

太陽のない生活を長年しているためか

紫色の肌をもった毒々しい化け物だった。


どうやら、化け物の音に気がつかず、

後ろから攻撃されたようだった。

ただ、力の盾を背負っていたおかげで

どうにか、命拾いをしたようだ。

しかし、骨の1,2本折れたようだ。

激痛がはしる。


ベホマをかけて、傷をいやそうとする。

しかし、効果があらわれない。


そっか・・・・・

沈黙の洞窟ということは、魔法も使えないんだ、

このままではまずい!


そこへ、化け物が第3撃目をはなった。

かわせない!

とっさに私は力の盾を天にかざした。

盾とその腕にものすごい負担がかかる。

骨折したところに激痛がはしる。

叫ぶ。

しかし叫び声は洞窟の魔力によってかきけされる。


化け物の棍棒につぶされそうになったとき、

同時に骨折したところの痛みが和らげられた。

気を失いそうになって痛みが和らいだのかと思ったが

どうやら天に掲げている力の盾の魔力が

私に力を与えてくれているようだった。

盾は輝き、徐々に私の体力と傷を回復させてくれた。


私は体のばねを使い、その反動で

化け物の棍棒を盾で押し返した。

奴がよろめく。

 

同時に稲妻の剣を抜き、足にきりつける。

痛みで暴れまくっている化け物の動きを

かいくぐり、力負かせに剣をふるい、

首をはねた。


首を失った化け物は血しぶきをあげながら

音を立てずに前のりに倒れた。


手ごわかった・・・・・・・




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