【第223話】

友からの元気


死闘の末、どうにか、5本の首をもった化け物を倒した私。

瀕死の状態である。


体がバラバラになるくらい痛い。

しばらくは・・・・立ち上がれなかった。



死闘を演じた広間で動けなかったが

しばらくすると体力だけはいくぶん、回復してきた。


これ以上、この化け物のそばにいたくない。


私はよろよろと剣を杖代わりに立ち上がり、

広間をぬけ、通路のはしっこの壁にもたれ、

また再度座り込んだ。


そこで道具袋をあさる・・・・


あった・・・・

無事だった。


水と薬草を買いこんでいたので、

まず、乾ききった喉に水を潤す。


はぁ・・・・・生き返る・・・・・


そのあと、水をガーゼにしみこませ、

傷口をふく。あちこちの火傷で水ぶくれがひどい。

切り傷もすごい。

ガーゼはあっというまに血と土の混じった色に変色してしまった。


もう・・・・ほんと、瀕死だな・・・・・


さっきのトロル戦での骨折も完治してないし、

全身数えきれないほどの切り傷と火傷。


ははは・・・・

まったく、こんな姿、誰にも見せられないや・・・・


薬草を各傷口に塗りこむ。

激痛が襲う・・・・


魔法のありがたさを改めてわかった。

回復魔法さえあれば・・・・


暗闇の誰もいない洞窟にたったひとりぼっち。


私はこのまま、閉じ込められた

洞窟で死に絶えるのだろうか・・・


そんなことを思っていたら、

はぐりんが前にきてキョロキョロと私のことを下から

心配そうに見上げてる。


そうだ・・・・私は一人じゃないんだ・・・・

大事な親友がいつも一緒じゃないか・・・・

いつも支えてくれているじゃないか・・・


わたしはゾーマを倒すって誓ったんだ。

こんなところで終ってはいけない。

必ず脱出する方法があるはずだ。


とにかく、勇者の盾をみつけよう。


負けるもんか・・・・


第224話 魔王の爪あと

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