【第224話】

魔王の爪あと


傷ついて、立ち上がれない私に友の心配そうな顔が

私に元気を与えてくれた。

私は一人じゃない。



薬草はすぐに効果をあらわしてくれ、

傷口の痛みをやわらげてくれた。


気力をふりしぼって、私ははぐりんを連れ

さらに奥に進んだ。


すると、また地下にいく階段を見つけた。

まだあるんだ・・・・


私はその階段を慎重に降りていった。


地下3階。

降りるとすぐ先に地面に巨大な目立つ亀裂があった。

その亀裂の先には何もない。


つまり・・・ここが最後で、

ガライさんが言っていた"魔王の爪あと"なのね。


その亀裂に近づく。

そして、そっと、底を除きこむと何も見えない。


まるでギアガの大穴みたいに、底がないみたい。

この底に勇者の盾があるんだ・・・


どうやって下るか。


方法は2つ。

1つは、杭を打ち込んでロープをつたい、下っていく。


杭もロープももっているが、

しかし、どれだけ深いかわからない。


もう1つは、ギアガの大穴を降りたときのように

魔法力をためて、徐々に降りていく方法。

呪文ではないから、たとえ沈黙の洞窟でも

可能なはずだ。


だが、今の魔法力で、できるだろうか・・・・

この洞窟に入ってからいっさい魔法を使えないから

使っていないが、それだけの気力が今の私にあるだろうか・・・・

 

いや、だめだ・・・気持ちで負けては。

絶対できる。

私だったらできる。

よし、やるぞ!

 


精神を集中させ、体中の魔法力をかきあつめる。

光の粒が私に集まってくる。

 

そのとき、魔王の爪あとの暗闇から

ものすごい速さで何かが雄たけびをあげながら現れた。


第225話 この世で最も激しい炎

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