【第261話】

魔物の系列


メルキドに来た私達は、人間の姿に化けている魔物と

疑いをかけられ、囚われの身になった。

が、幸運にも、ラダトームの顔なじみの兵士にあったため、

私達は開放されることになった。




「そうですか、メルキドに光の鎧などの情報を探しに」


「えぇ」


ラダトームから来た兵士に、今までの事情を一通り話した。

また、カンダタの脱走についてのことも話し、

彼を許すように頼んでみた。


それについては、顔をしかめたが、

(人を多少なりとも傷つけもしたのだから)

事情を王様に話し、善処してみるということになった。


「しかし、メルキドの外の・・・・

 あれは何?

 あまりに、惨い・・・・・・・・」


「えぇ・・・・・

 大魔王ゾーマは、本格的にアレフガルド征服のため、

 魔物達を使って、侵略をはじめました。

 惨状はご覧のとおりです」


と、苦々しく語る。


「アレフガルドの重要拠点は、ラダトームとこの要塞都市メルキドです。

 ラダトームの方は、王が率いる騎士達と、兵士達で、切りぬけました。


 しかし、メルキドの方は城のようなしっかりとした、訓練された騎士団がおらず

 町を守るとなると、兵士達と、傭兵で自衛をするしかありません。

 幸い、この町は、頑強なため、どうにか、全滅を避けられたのですが・・・・


 大魔王は、このメルキドをまず第一に落とすつもりだと思います。

 そして、そのあとラダトームも。


 この2つの都市が落ちれば、アレフガルドはもう・・・」


「深刻な問題みてぇだな」


「うん・・・・・・・」


「ラダトームのほうはそう簡単には落ちないと思います。

 騎士団が命をかけて守りますゆえ。

 ただ、ラダトームからメルキドに大量の騎士を派遣する余力もなく、

 少数の兵士しか、このメルキドに来ることができず、

 私が隊長として来たのですが・・・・

 次回の戦いに耐えられるかどうか・・・」


「また近いうちに戦が?」


「えぇ、たぶん。

 次の戦いが、メルキドの街が生き残る最後の戦いかもしれません。

 こちらもかなりの被害でしたが、

 大魔王も方も被害をうけているはずです。


 兵として新たによみがえらせられるのは、

 死体を魔物に変えるゾンビ系のモンスターくらいでしょう」


魔物は系列は大きく分けると、

スライムや、ホイミスライムなどの「スライム系」

キメラ、ヘルコンドルなどの羽を持っている「鳥系」

マタンゴなど、植物の魔物の「植物系」

キャタピラーなどの「虫系」

マーマン、大王イカなど海で現れる「水系」

キラーエイプ、グリズリーなどの強靭な肉体を持つ「獣系」

腐った死体や、マミー、シャドーなどの死の世界から蘇った「ゾンビ系」

ギズモ、マドハンド、キラーアーマー、溶岩魔人、動く石像などの「物質系」


そして、魔物でも、上位種族に属するボストロールやサタンパピーなど

知識・体力・魔力に長ける「悪魔系」

ガメゴンロードや、ドラゴン、ヒドラ、サラマンダーなど、最強の強さを誇る「ドラゴン系」


モンスターは主にこれらに区分される。

死んだものが生き返らないのは、自然の法則だが、

大魔王は、巨大な魔力により、ゾンビ系のモンスターとして

呼び出すことができるわけだ。


ただ、ゾンビ系のモンスターはそれほど脅威ではない。

動きが遅いものが多いし、たいていは火が弱いから。


「前回の戦いで、大きく戦の勝敗を分けたのは、

 鳥類系のモンスター、それと、ドラゴン、

 それに、ヒドラでした。

 ヒドラは、人の手に負えるモンスターではありません」


強靭な肉体を持ち、灼熱の炎をだすドラゴンでは、

並の戦士では歯が立たないだろう。

ヒドラも、沈黙の洞窟で対決済みだか、強力な再生能力を持ち、

巨大で獰猛なモンスターである。


「でもよくヒドラと戦って、このメルキドは生き残っていたわね」


「・・・・それが、一人の戦士が、

 前の戦いに参加してくれ、一人でヒドラを倒したのです」


「そんなすごい戦士がアレフガルドにもいるのね」


「えぇ、今は事情があっていらっしゃいませんが、

 オルテガさんという戦士様が、加わってくれたおかげで」


「オルテガ!?」


第262話 オルテガの手がかり

前ページ:第260話 「囚われの身」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります