【第290話】

向かう道は1つ


竜神に会った。

私は単刀直入に大魔王の島を渡るために

竜騎士になりたいこと伝えた。

しかし竜神は首を縦にはふってくれなかった。




「・・・・そうか・・・・・」


どうしても竜騎士になれないのであれば

大魔王ゾーマの城に渡るために別の手段を考えなければいけない。


「無理を言って申し訳無かった。

 邪魔をした」


私はそう言い残し立ち去ろうとした。


「私にはもうあなたを竜騎士にする力が残っていないのです」


「?」


「先ほども言いましたが、私はもうこの世の者ではありません。

 本来ここにいることも許されない存在なのです。

 そのためもう竜を生むことができません」


そういうことだったのか。

母なるドラゴンがすでにこの世にいなければ

実体がなければどうにすることもできない。

無理な願いをしてしまったものだ。

本当に申し訳ないことをした。


「仮に竜を生むことができても・・・・

 そして大魔王の島に渡るができたとしても・・・

 残念ながら、あなたに大魔王を倒すことはできません」


「確かにそうかもしれない。

 大魔王の力は巨大かもしれない。

 しかしこのまま見過ごすわけにはいかないのだ」


「大魔王は、結界という古代魔法を手に入れ

 それを使うことで闇の羽衣をまとうことができます。

 闇の羽衣をまとった者はいかなるものも傷つけることができないのです」


それは発耳だった。

しかし例えそうであっても向かう道は1つである。


「答えはそれでもかわらない。

 かなわぬ相手であれば、倒す方法を考えるのみ。

 そのために大魔王の島に渡らなければ」


「・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・失礼した」


第291話 オルテガの意志

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