【第31話】

侵入者


装備を整えた私は、翌朝、王様に謁見することにした。

人が変わってしまったという王様を一目見てみたかったし、

サイモンさんのこともお聞きしたいし、何よりも町の人のためだもの!

抗議してこなきゃ!


「王様は多忙のみ、おまえのような奴にはお会いにならぬ」

「そんな・・・・

 お願いします!どうしても会いたいんです!」

「ならぬ」

「どうしても、お話ししなければいけないことが・・・・・・・」

「ダメだと行ったらダメだ!」


頑固な兵士さんがいて、門前払いされてしまった。

なによ!

・・・・・・・ということは、やることは一つ。

忍び込む

私は、体に消え去り草を振りかけた。


「王様!」

「ん?なんじゃ、おまえは?」

「突然のご無礼、お許しください。

 私は、オルテガの娘、チェルトと申します。

 実は、王様にお聞きしてほしいことがあるのです」

「なに?オルテガの娘じゃと?」

「はい」

「・・・・・・・・・・・・」

「王様、サイモンさんのことなのですが、

 勇者サイモンは・・・・・」

「なにをしておる!衛兵!侵入者を取り押さえろ!」

「はっ!・・・し、しかし・・・オルテガ様の娘様だと・・・・・」

「・・・・・なに?このような娘の言うことを信じるのか?」

「い、いえ・・・」

「・・・・・・・わしの言うことが聞けんというのか?」

「そ、そのようなことはありません!」

この兵士さん、すごくおびえている様子。

あっ、そんなこと考えている場合じゃない!

「王様!話をお聞きください!」

「早くとらえるんじゃ、この無礼者を!」


囚われました



「まさか、オルテガの娘がここに来るとはのう・・・・・・・

 ふん、まぁいい。お前も、サイモンと同じ目に遭わせてやる。

 くっくっくっ・・・・・」


第32話 脱走

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