【第３１４話】
呪いを解く手段

海の魔王クラーゴン。
しかしその実体は、大魔王ゾーマに呪いをかけられ
逆らうことを許されなかった哀れな魔物だった。

私はこのクラーゴンが悪い魔物には見えなかった。
大魔王の呪いをかけられたクラーゴンを助けたかった。

”私はどうすればいいの？
　あなたの力にならせて”

”ニゲロ”

クラーゴンは先ほどの言葉を繰り返した。

”ニゲロ”

”だから、あなたの力になりたいの！”

”ニゲロ、チイサキニンゲン。
　オマエノチカラデハ、ドウニモデキナイ”

「そんなことやってみなきゃわからないじゃない！」

私は叫んだ。

”オマエニ、ワタシガコロセルカ？”

「え・・・・」

”ワタシガ、ノロイカラノガレルニハ
　ダイマオウガ、キエルカ、
　ワタシガ、シヌシカナイ”

「私はあなたを助けたいの！
　助ける方法を聞いているの！！！」

”タスカルコトハ、シヌコトダ。
　ソレイガイニナイ”

なんとういことだ・・・・・・・

”ソレニ、ワタシハ、ナガイキシスギタ。
　イキルノニ、ツカレタ。
　ネムリタイ。
　ネムリタイノニ、ネムルコトサエ、ユルサレヌ。
　モウ、ネムリタイ、ネムリタイ、ネムリタイ”

私は呪いを死でしか取り除くことができないと聞いて
どうにか別の手段を考えた。

”ヤサシキ、チイサキ、ニンゲンヨ、ニゲロ
　ワタシ、ハ、モ、モウ、セイギョガデキナイ・・・”

「クラーゴン？」

”ニゲロ・・・・ニゲロ・・・・ニゲロ・・・”

そう何度も頭の中に声が入ってきた。

「クラーゴン！！！」

私は必死に呼びかけた。

しかし、クラーゴンからは”ニゲロ”と頭の中に声が入ってくるのみ。
そしてそれが途切れた瞬間、クラーゴンは、また暴れだした。

「キャァアァ！！！」

船は再度、並にもまれ、私は船べりにしがみつく。
もう、ガライさんの銀の竪琴の効果も及ばないのか・・・

第３１５話鋼鉄魔法アストロン
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