【第402話】

ソードイト戦2


六本の腕を操る魔物。

王者の剣の魔力を解放したが、防がれてしまう。

ならば接近戦を挑むが、魔物とは思えない剣の使い手。

苦戦を強いられる。




遠距離からの攻撃もダメ、

得意の接近戦でも互角の戦いで打つ手がなくなってしまった。

相手の隙を見出すまでこのまま接近戦を続けるという手もあるが

こちらが生身の人間である以上、長い戦いではスタミナが落ちる。

あちらはスタミナなど関係ないだろうから、こちらが不利である。

後は意表をつく攻撃が考えられるが。


私は一度魔物との距離を取ると、再度王者の剣の魔力を解放させた。

巨大なかまいたちが魔物を切り刻もうとする。

魔物は先ほどと同じように六本の剣を輝かせ、氷の結界をつくった。

氷の結界はかまいたちとぶつかり、砕け散る。

氷が崩れた瞬間、私はその氷の結界につっこんだ。


氷の結界で私の姿が魔物から見えなかった為、一瞬、魔物の反応が遅れる。

私は気合いの声をあげ、魔物を一刀両断しようとした。

魔物はそれを防ごうとしたが、私のほうが早かった。


魔物の右腕が三本とも肩から切り落とされる。

そのままトドメをさそうと剣を真横に振るい、腰も両断しようとしたが

これはかわされ、距離をとられる。


本当は肩を切り落としたとき体ごと両断しようとしたのだが

寸前のところでかわされ、結果として腕のみにしか剣があたらなかった。

しかし再度接近戦を挑めば今度は負けないだろう。


私が動こうとすると魔物の口がカクカク動く。

不気味だ。何かしゃべろうとしているのだろうか。


しばらくすると信じられないことが起こった。

切断された腕がふわふわと浮き、魔物の切り落とされた切断面にくっついてしまった。


「えぇ!!!回復魔法まで使うの!?」


人間であれば、腕が切断されたらカンダタのようにくっつかない。

しかし骨のみで作られている魔物は例外なのだろうか。


声帯がないだろうから、これが魔法による回復なのか、

ヒドラのような持って生まれた再生能力なのかどうかはわからないが

魔物は人間と違い、魔法の言葉を発しなくても魔法を発動できることから魔法なのかもしれない。

しかしせっかくの不意打ちで傷つけた腕も回復されてしまった。


第403話 ソードイト戦3

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