【第59話】

果たされぬ約束


勇者サイモンが幽閉されたという祠に来たわたし。

だが、そこには、無惨な光景が広がっていた。

どう考えていても、この状況で生きているはずがない。

牢屋で勇者サイモンの遺品を探すことにした。

その時のお父さんのことを呼ぶ声が・・・・・・・



”すまん・・・・・・・オルテガ殿・・・・・・・・・”


あ、あっ・・・・・・・・亡霊・・・・・・

驚いて、声が出ない。


”私は・・・・・・約束を守ることができなかった・・・・・・・・・・”


約束?


”バラモスを・・・・・二人で倒すという・・・・・・・

 ・・・・・すまん・・・・・”


「サイモンさん・・・・・・・・ですよね・・・・・・・

 私はオルテガではありません。

 娘のチェルトと言います・・・・・・・」


”・・・・・娘?・・・・・・・”


「はい・・・・・・・・」


”・・・・・オルテガ・・・・・殿は・・・・・・・”


「父は・・・・・・・

 ネクロゴンド近くの火口に落ちて・・・・・・

 父さんは・・・・・父さんは・・・・・・」


”・・・・・そうか・・・・・・・”


「・・・・・・・・・・・・・・・」


”・・・・・チェルト殿、この剣を持っていってくれ・・・・・”


突然、洞窟にまばゆい光り立ちこめる! 目を反射的に覆ってしまった。

しばらくして、目が慣れてきた。

そこには、光り輝く剣が一本。


”この剣をオルテガ殿がなくなった火口に投げ込みなさい。

 そうすれば、求める道が開かれるであろう・・・・・・”


「求める道?」


・・・・・・・・・・・・・・・


「サイモンさん?」


・・・・・・・何も聞こえない。


「サイモンさん!?」


・・・・・・・・・・・・・・・

行ってしまわれたようだ。



サイモンさん・・・・・・

必ず、私があなたの・・・・・・・

あなたと、父さんの敵を討って見せます・・・・・・


第60話 頂上を目指して

前ページ:第58話 「勇者サイモン」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります