【第73話】

長話


気が遠くなるくらい、ダンジョンを歩き回った私。

明かりが見えてきた!

あれが外に出る出口だわ!

(でなきゃ許さない!)


「まさか、ここまで辿り着く者がいるとは・・・・・・・・・

 驚いたわい」

(私は、人がこんな所に住んでいることに驚いたわ)


「さて、お主は何故、こんな所に来たのじゃ?」


「えっ?何故って言われると・・・・・・・・」


何でここに来たんだろう?

なんか、ここが怪しかったからかなぁ・・・・・・・・


「まて、言わずともよい」


「はぁ・・・・・・・・」


「お主はバラモスがここにいると思ったのじゃないか?」


「えぇ」


「しかし、ここにはいないぞ」


「はい」


「で、ここに何があるかだが」

(まわりくどいなぁ・・・・・・・・)


「何があると思う?」

(思う?じゃないでしょ・・・・・・・

 早く言いなさいよぉ・・・・・・・・イライラ・・・・・・)


「それはじゃなぁ、まぁ、ちょっと、わしの生い立ちから話そうかのう」

(えっ!?)


「あれはわしが、10才の時じゃった。

 森に熊が現れてのう。

 びっくりした私は・・・・・・・・・・」

(ちょっとぉ・・・・・・・)


あれから、丸一日、会話を聞かされた。

よっぽど、寂しかったんだろうな。

ずっと一人だったんだから。

でも、なかなか、本題に入らないんだもん・・・・・・


第74話 シルバーオーブ

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