【第77話】

母と子


久々、家に帰ってきた。

台所から、お母さんが、包丁でトントンする音が聞こえる。

やっぱり、落ち着くなぁ・・・・・・・・


「うまい!!!

 やっぱり、母さんの料理は、おいしい!!!」


「・・・・・・・ったく・・・・・・・

 もう少し、女の子らしくできないの?」


「だってぇ、お母さんの子だもん」


「顔は母さん似だから、きれいなのよねぇ・・・・・・・・」


「えっ?」


「・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


ハハハハハ!!!!

二人して、大笑いしてしまった。

やっぱり、いいなぁ、こういう会話。


「ねぇ、チェルト・・・・・・・・・」


「なぁに?」


「ボーイフレンドはできたの?」


プッ


思わず、お茶を吹き出してしまった。


「な、なによぉ・・・・・・・突然・・・・・・」


「いやね、あんたも、年頃だろ?

 だからねぇ・・・・・・」


「ば、バラモス退治に行っているんだから、そんなこと有るわけないでしょ?

 そ、それに、こ、こう見えたって、け、けっこう、もてるんだから!」


「どうだか?

 もう少し、女の子っぽくしていたら、もてるのにねぇ?」


「うっ・・・・・・・・・・」


さすが、お母様、見抜かれていらっしゃる・・・・・・・・


第78話 手紙

前ページ:第76話 「匂い」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります