【第88話】

生まれる者、消えゆく者


巫女達の詠唱と同時に、凄まじい光りが!

とっさに目を覆う私。

眩しい・・・・・・・・


ゆっくりと目を開ける・・・・・・・・・

まだ、目が慣れない・・・・・・・


細目で目を凝らして、ラーミアの卵があったところを見る。

ん・・・・・・・・


ない!?

ラーミアの卵がない!


その時、空から甲高い鳴き声と巨大な影が通り過ぎていった・・・・・・


「あれがラーミア・・・・・・・・・」


大きい・・・・・・・


「今・・・・・・・遥かなる時を越え、

 伝説のラーミアが蘇りました・・・・・・・」


巫女達がとぎれとぎれに答えた。

きっと、かなりの精神力を使ったのね。


でも、なに?

あの衰弱ぶりは?

それに、なんか、彼女たちの姿が薄くなってない!?

ま、まさか・・・・・・・・


「察しの通りです・・・・・・・・

 私たちはラーミア・・・・・・・

 ラーミアの魂・・・・・

 ラーミアを蘇らせるために、生まれ、

 その役目が終われば、

 この世からなくなる運命」


そんな・・・・・・・・・

運命って・・・・・・・


「でも、あなたに会えて、良かった・・・・・・・

 あなたはいい目をしている」


「もし、普通の女として生まれていれば、

 あなたとは気の合う友達でいたかもしれない・・・・・・」


はじめて、別々に話し始める巫女達。


だが、冷静の口調も、訪れる運命を直前として・・・・・・

彼女たちは髪を振り乱し、


「わ、私は、まだ死にたくない!」


「い、いやぁ!!!」


半狂乱の叫び声を残して、彼女たちは消えてしまった・・・・・・


第89話 恐怖

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