【第95話】

距離の違い


もおぉぉぉ、怒った!

センスのない緑色のローブをまとった魔導師に

テドンの景色を見せられ、逆上した私は、

敵が自己紹介している間に攻撃を仕掛けてやった!


「卑怯者ぉ!

 もう、許さないんだから!!」


私は、相手に息をつく暇を与えず、

剣を突き出す。

さすがに速攻と、私の怒りの形相に相手の魔導師もびびっているようだ。


「ひ、ひっかるのが悪いんだろう!」


「口答えするんじゃないわよ!

 男なら、もっと正々堂々と戦いなさい!!!」


「うっ・・・・・・・」


しかし、こんな相手でもさすがにバラモスの直属の部下だ。

徐々に、余裕が出てきて、難なくと、私の攻撃をかわしはじめた。


「ふん。やはり、そんなものか」


おい。さっきと口調、変わり過ぎだぞ。


そんなことを考えていたら、隙ができたため、思いっきり距離を離されてしまった。


しまった・・・・・・・・


魔法使いは遠距離でもっともその力を発揮するものだ。

なので、戦士や武道家が魔法使いに勝つには、魔法を唱える前に

接近して倒すのが定石なのだが、一度距離を置かれると

攻撃がなくなってしまうのでやっかいなの。


気がついたときには、すでに魔導師の術にかかっていた。


第96話 お互い様

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