【第97話】

動く石像


テドンの幻影、分身の術、幻術の使い手エビルマージを倒した私。

バラモスの直属の部下ということもあって強かった。

最初から、これじゃ、バラモスのところまでたどり着くのは容易ではなさそう・・・・


ん?

何か動いた?


迷路のようなバラモス城を歩いているうちに大広間に出てきてしまった。

そこには大きな石像が左右に2体ずつ、計4体飾られていたのだが、

部屋に入った時、微妙に石像が動いたような気がしたの。


気のせいかしら?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「それにしても悪しゅみぃ~

 こんな不細工な石像を置くなんて、バラモスのセンスって

 性格だけでなく悪そうぉ~」


ピクっ


「ん?やっぱり動いた?」


あたりは物音一つない。


「・・・・・・・・・・

 そんなわけないわよねぇ~」


そのまま、大広間を出ようとした私。

しかぁ~し、私の目はごまかされないわよ。

扉を出る手前で、私は大きな声で言って見せた。


「だぁ~るぅ~まぁ~さぁ~ん~が

 こ・ろ・ん・だぁ!!!」


くるっ


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・右の像、さっきと腕の上がり方違うぞぉ~」


「・・・・・・・・・・・・」


それでも静止を続ける石像たち。

フーン、そう、あくまでしらを切るつもりね。

フフフ・・・・・そっちがその気なら・・・・・・


「それにしてもぉ!

 この石像もかわいそうよねぇ~

 こんな"かっこわるく""悪趣味"で、"不細工"な石像!

 あぁ~、私ならもう耐えられない~♪」


両手をほうにあて、体をくねくねさせながら、思いっきり甘えたような声で

私は彼らをバカにしてやった。


「ぐわぁぁおお~~~」


やっぱり、モンスターじゃない!

だったら、最初からおそってくればいいのにぃ~

(それはそれで嫌かも?)


第98話 マッピング2

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