【第7話】

亡霊の夜


広島城を後にした私たちは

次に原爆ドームを目指すことにした。

もう、夜の11時を過ぎている。

今日、私たち眠ることできるのかしら・・・・・・



「はぁ・・・・・・・・・ついたぁ・・・・・・・」


「・・・・・・・・・足が痛いわ・・・・・・・・・」


「うげぇ~~ぎもじわるいぃ・・・・・・・・・・」


「お腹すいたぁ・・・・・・・・・・・・・・・・」


全員、くたくただ・・・・・・

唯一、良いことは、ずっと重い荷物を引きずって歩いていたので

体が温まったことくらいだ。

ちょっと暑いくらい。


「と、とりあえず、休もうよ」


「賛成~」


ふぅ・・・・・・・

荷物を下ろし、その上に座り込む。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「これが原爆ドームなんだ・・・・・・」


「夜だから、あんまりわからないね」


かすかに原爆ドームの中には明かりがついていたが、

夜中と言うこともあり、

間近で見てもよくわからなかった。


「・・・・・・・・だめだ、来た時間が悪すぎる・・・・・・・

 さっき、コンビニが見えたから、あそこで適当にご飯買って

 今日はさっさと寝よう」


「・・・・・・・そうねぇ・・・・・・

 確かにこれじゃ、見学もできなそうだし・・・・」


「でも、これからまた寝床を探すの?」


「えぇ~~動くのやだぁ~」


確かに私もへとへと・・・・


「んじゃ、ここで寝るか?」


「え!?」 「え!?」 「え!?」


「ん?

 どうしたの?」


「いやよぉ~~

 こんなところで寝るのぉ~」


「霊とかでそうじゃない・・・・・」


「別に、俺、霊とか信じていないし・・・・・」


「で、でもさぁ・・・・・・ここはちょっと・・・・・・」


「これから、寝床探すの大変だぜ・・・・・・・・」


「まぁ・・・・ミディリンの言うことも一理あるわね・・・」


ちょ、ちょっと、ミリーまで!?


「こ、ここで寝たら、き、きっと罰が当たるわよ・・・・」


「ふぅ~ん・・・・・・・・・・・・・・・恐いの?」


ミディリンがにやにやした顔で聞いてきた。


「・・・・・・・・・べ、別に・・・・・・・・・・」


正直言うと・・・・・・・・ここで寝たくない・・・・・・

やだよぉ・・・・・・・・・

しかし、ここで怖がっては、ミディリンにからかわれる・・・・・


「・・・・・・・わ、わたしは・・・・いいけれどさぁ・・・・・

 ムーンが・・・・・・・・・ね?ムーン?」


「え?

 わたし、別にここでいいよ。

 コンビニでご飯買ってワンちゃんにあげるの」


「・・・・・・・決まりだな・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ということで、旅をはじめて1日目

私たちはこともあろうに

原爆ドームの目の前で野宿することになった・・・・・・・


いやぁああぁぁぁぁああ!!!!!


第8話 (制作中)

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