Mission4 16Beatとはッ!?

隊員:隊長! お久しぶりであります!

隊長:うむ。ホントに久しぶりだ。このまま干されるかと思ったぞ。

隊員:軍曹は今日は来られないでありますか?

隊長:あぁ、軍曹なら休暇中だ。今ごろ…

隊員:(あの可愛い軍曹の事だから、遊園地とか水族館に行ってそうだなぁ…)

隊長:今ごろアラスカの大平原でホッキョクグマやアザラシを思う存分狩りまくっている事だろう。素手で。

隊員:………で、では今日からの講座は隊長が?

隊長:いや、実は我輩も今日の午後から休暇だ。そこで貴様の指導は少尉が担当することになった。

隊員:質問であります!

隊長:なんだ? 質問は2つまで許す。

隊員:ちゅ…少尉殿とはどんな方でありますか?

隊長:……………我輩には語ることは出来ん。それでは少尉に後は頼んであるので失敬。

隊員:あ、た、隊長!! …って出てっちゃったよ……

(くいっ)

隊員:ん? 何か引っ張ったか?

(くいっ、くいっ)

隊員:ん~? ……お嬢ちゃん、どうかしたかい?

少尉:あ、あのぅ…ドラム講座ってここで良いんですよね?

隊員:確かにその通………まさか少尉殿でありますか!?

少尉:良かったぁ、道に迷ってたんですよぅ()

隊員:…(あ、あの軍曹といい少尉といい……なんでこう可愛い人材ばかりが…?)

少尉:なんにしても良かったです、無事辿り着けて。方向音痴なんですよー。

隊員:そ、それはどうも……

少尉:えーっと、確かドラム講座で16Beat課程なんですよね? 

隊員:イエッサ-。間違いないであります。…ところで少尉、質問であります。

少尉:は、はい? 何でしょう?

隊員:……少尉は熊とか素手で倒せるでありますか?

少尉:く…クマさんをですか? 無理無理ムリです! 出来ないですよぅ、軍曹じゃあるまいし。

隊員:(ほっ…)そ、そうでありますか。それでは何かマーシャル・アーツでも?

少尉:いえ~、陳式太極拳と八極拳と、あと渋川流合気柔術をやってただけです~☆

隊員:……………(軍曹より凄いかも…)

少尉:それでは本題に入りますね。席についてください。

隊員:イエッサ-!

 

少尉:えーっと、まずは16Beatの基本からですけどー…16Beatって何か解りますよね?

隊員:イエッサ-! 16部音符を主体として構成されるリズムであります!!

少尉:はぁい良く出来ました♪ その通りです。16Beatというのは、16部音符を用いて構成されるリズムのことで、その範囲はもの凄く広いです。だから「どれが16Beat?」というのはかなり難しいことなんですが、でも実は8Beatよりも自然に叩けるんですよ☆

隊員:なぜ8Beatよりも自然に叩けるでありますか? 8Beatの方が基本なのでは?

少尉:良い質問ですねー♪ それはですねぇ、人間のリズムの取り方に関係があります。たとえばですねぇ…人間の心臓の鼓動を表現するときにどんな風に表現しますか?

隊員:…「どくっ、どくっ」であります。

少尉:そうですね。その「どくっ、どくっ」は8Beatではなくて16Beatに近いのものなんです。脈拍の音をバスドラムで表現すると、(1)のようになります。

(1)

これだけ見ると16Beatでも何でもないですが、これにハイハットとスネアを入れると(2)です。これで16Beatですね?

(2)

隊員:た…確かにその通りであります!! なるほど、つまり16Beatは人間にとって自然なリズム、という事でありますか!?

少尉:はぁいその通りです♪ お母さんの胎内にいるときからずーっとこのリズムを聞いてるわけですから、人間にとっては16Beatやシャッフルといったリズムは、8分音符を規則正しく刻む8Beatよりもなじみが深いわけです。

隊員:イエッサ-! 解りましたであります!

少尉:それでは16Beatの種類についてですが、まず16Beatと聞いてどんなリズムを連想しますか?

隊員:連想するところというと…(2)のようなリズムであります。ハイハットをチキチキ刻むよ-な。

少尉:なるほどぉ。では(3)のよーなリズムはどうですか? 8Beatですか? 16Beatですか?

(3)

隊員:…ハイハットが8分音符でありますから…8Beatでありますか?

少尉:うーん残念っ、実はこの(3)16Beatなんですねぇ♪ 最初のほうにもお話した通り、16Beatとは「16部音符で構成されるリズム」の事なんです。ですから、(3)で言えば3拍目の直前の部分の16部音符があるために16Beatになってるんですね☆

隊員:ふーむ…結構難しいというかなんと言うか…

少尉:それと補足ですが、ドラムが8Beatでも16Beatになる場合もあります。これは「ドラムが8Beatでリズムを刻んでいる間、ベースが16部音符の旋律を刻む」という場合です。ですので、実は基本といわれる8Beatはかなり特殊なビートだという事が解りますね?

隊員:少尉、質問であります!

少尉:はぁい、何ですか?

隊員:それでは何故8Beatが基本といわれるでありますか?

少尉:それは簡単だからですよ♪ 16Beatに比べて8Beatは手数も音符の数も少ないので、最初に練習するのにとっつきやすいからです。

隊員:なるほど…解りやす過ぎる理由であります…

少尉:それでは今日は短いですけどこれくらいにしましょうか♪ 次回から実際にドラムを叩く上での注意点や、アクセントレーション、スリップビート、16Beat特有のフィル・イン、バスドラムのダブル・ストローク、ハイハットの使い方などをやって行きます。内容は盛りだくさんですよっ♪

隊員:イエッサー! よろしくお願いするであります!!

少尉:では、お疲れ様でした☆

隊員:イエッサー! ありがとうございました!!

 

少尉:あ、隊長♪ お疲れ様ですー☆

隊長:…おぉ少尉、ご苦労さん。どうだった?

少尉:はぁい☆ 凄く素直な方で助かりました♪

隊長:それは良かった…頼むからもう生徒を病院送りにしないでくれよ。言い寄ってきた男を悉く投げ飛ばしたり発剄の餌食にしたくなるのもまぁ解るが…

少尉:大丈夫ですよぅ、手を出されない限りこちらから手はだしませんから♪

隊長:……うむ、そうして貰えると助かる。では我輩はこれから休暇に入るので失敬。

少尉:イエッサー♪ どうぞごゆっくり♪

隊長:(…あの隊員が少尉の発剄の犠牲になれば……これで通算256人目か。死人が出ないのが奇跡だな……少尉は男に免疫がない分、反撃に出ると容赦ないからなぁ……)

少尉:……っくしゅん!!

 

第5回:アクセントレーション

第3回:「スローテンポの8Beatとアップテンポの8Beat」 に戻るのぉ。

目次に戻るのぉ~

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