十月十七日

シルクのヴェールを取りに山奥の村まで来ている。潮にめぐまれて水門まで半日 でくることができた。ダンカンさんのところへ挨拶に行っている。
予定より早く帰れるので、結婚式まで一日余裕があるが、花嫁には会えないこと になっている。ルドマンさんの家でお世話してもらうことになった。


結婚式にはヘンリーとマリアさんも来てくれる。父さんもいてくれたら、と思う。






十月十九日

昨日は遅くまで宴が続き、昼まで寝てしまった。目が覚めると、となりでビアン カが僕のことを見つめていた。僕が起きたのに気がつくと、ビアンカが急にあら たまって、「ふつつかものですが、どうぞよろしく、なんちゃって」なんて言い だした。ああ、結婚したんだな、とぼんやり思った。


町で小さな船を出してもらって、あしたもう一度ダンカンさんのところへ行く。 そのあとはポートセルミだ。ルドマンさんが大きな船を無条件で貸してくれるこ とになった。
新婚旅行というほどたいそうなものでもない。魔物も出るだろうし、むしろ新婚 冒険?になるかもしれない。でも、ビアンカもそれは望むところらしい。

十月二十日

山奥の村に向かっている。
十月二十一日

もう暗くなってしまった。あと少しで村につく。みんなすっかり汚れてしまった。
村は温泉で有名だから、しばらくここで休んでいこう。ただ、魔物も受け入れて くれるだろうか?

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