一月十七日

洞窟をぬけてグランバニアについた。ここは城の中に町がある。いいところだ。
この町にサンチョがいるらしい。山道でも聞いたけれど別人だと思っていた。会 いたい、と思う。


この国は父さんがいなくなってかなりのあいだ王をたてなかったらしい。きっと 帰ってくると信じていたのだろう。すばらしい人徳だ。
今の王はオジロンというらしい。かなり人の良い王様のようだ。あしたお目にか かろうと思う。
ただ、どんな顔をして行ったらいいものか悩んでいる。先代の王の息子というの は、なかなか厄介な立場だ。


ミニモンにとって城の中はめずらしいらしい。かなりはしゃいで、ついでにいた ずらの方もはげしい。困っているが、ビアンカのためにかなり大目に見ている。
小悪魔め!

一月十九日

いきなり大変なことになってしまった。王にしてくれなんて一言も言わなかった し、言うつもりも無いのに、むこうの方から言い出してきた。王様、人がいいに もほどがある!


サンチョに会ったのはいいけれど、相談する間もなく王様に引き合わされてしま った。しかもその場でビアンカが身ごもっていることを知ってしまったし、、、
昨日の夜はそのまま宴会で結局昼まで寝込んでしまった。
そしてこんな話になってしまった、、、


とにかく、大臣の話では試練の洞窟とかいうのをくぐりぬけなくてはならないら しい。あした中を使って準備をしなくてはならない。ビアンカと離ればなれになってし まう。

一月二十日

王様は人が良すぎて大臣の言いなりらしい。オジロン王自身もそのことを感じて らっしゃったのだろう。それに、家族も王族の重責に耐え兼ねているようだ。

国民の方も父さんの統治を懐かしむ声が高い。父さんも、その弟のオジロンさん も通った道だ。しょうがない、やってみようと思う。ただの偶然とはいえ父さん の息子というのは僕しかいないわけだし、その血でみんなが納得して少しでも役 に立てるなら、やらなければいけない。


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