七月二十七日

旅を再開する。
なるべく近くを見ないようにしている。はるか遠くに見えるエビルマウンテンだ けを見ている。あの頂上が最後だ、という思いがみなの中で共通している。

敵がとても強い。賢者の石に頼りっぱなしだ。次々と打ち倒しながら、一丸とな って進んでいる。

七月二十八日

馬が弱りはじめた。体力ではなく精神的な問題らしい。休ませなくてはならない。
破いた布で目や耳などの感覚を弱め、落ち着くまで止まっている。




回復したので一気に走りぬける。エビルマウンテンまであとわずかのところで、 毒沼に足止めされた。回り道をしたので着くのは明日の朝になる。

七月二十九日

母さんに一目会えただけで満足だ。今はもう眠い。危険だとは分かっているが、 隠れて休んでいる。





目が覚めるととんでもないことになっていた。
僕が仮眠を取っているあいだに、メタルキングたちと戦闘になっていた、のだが、 全員が混乱して、笑うに笑えない。
やたら気が強くなって意味なくタンカを切ってみたり、地面でもがいたまま起き上がれなかったり、へんてこな踊りを踊りだしたりと、あのまま駆けつけなかったらいつまででもあのままだったかもしれない。
いちおう飲み物を飲ませて、落ち着かせているところだ。
七月三十日

外の様子は分からないが、地上ではおそらくちょうど真昼ごろだろう。
いよいよ魔界の王、ミルドラースの部屋の直前まで来た。
もうあまり書くことはない。今から突入する。









もう動けない。マスタードラゴンがこちらまで迎えに来てくれるといっている。
ミルドラースを倒した。世界は救われた。


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