開湯は成務天皇の代(4世紀頃)に国造の大阿刀足尼(おおあとすくね)によると言われる。温泉名は、湯の花でできた薬師如来の胸から温泉が湧いていたことに由来し、「湯の胸」転じて「湯の峰」となった。 熊野御幸の時代にも、皇族や貴紳がこの地を訪れたが、それらはあくまで休養としてのものである。熊野詣との関連で、湯垢離(ゆごり)による潔斎の場としての地位を獲得するのは、熊野御幸の盛期を過ぎた14世紀ごろからであると考えられており、室町時代に入ると旅の疲れを癒す意味もあって参拝前に入浴したという。この時期には、熊野の地で修行に励んだ一遍もこの地を訪れている。 しかし、近世には、西国三十三箇所の優越とともに、潔斎の場としての意義は薄れ、単なる湯治場としての性格が勝ってくるようになった。また、江戸時代に作成された温泉番付では、「本宮の湯」として勧進元に名を連ねている。名の由来となった湯峯薬師をまつる東光寺、熊野九十九王子のひとつ湯の峰王子が温泉街内に今もある。 1957年(昭和32年)9月27日、厚生省告示第310号により、熊野本宮温泉郷の一部として川湯温泉、渡瀬温泉とともに国民保養温泉地に指定。共に国民保養温泉地に指定された川湯温泉、渡瀬温泉とは毎年10月に献湯祭を開き、熊野本宮大社に献湯している。
記事元:Wikipediaより引用 |
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