【第42話】

再会


シャンパーニの塔は入り組んでいて

とても見張りの為に作られた塔とは思えなかった。

また塔の中には目つきが鋭い男が何人も出迎えた。


そして、最上階にはあの老人がいた。




「そこに座りなされ」


カンダタに進められるままに俺たちは椅子に座った。

ここまで道案内をしてきた男は、部屋を出ていった。


「久しぶりだの」


「・・・・・・・・・」


会ったらいろいろ言いたいことがあったのに

いざ本人を目の前にすると言葉が出てこなかった。

話すことがありすぎる。


あんたは、いったい何者だ?

ロマリアの人間ではないのか?

何故二年間俺たちの前に姿を現さなかった?

このシャンパーニの塔とはいったい何だ?

俺たちはいずれあんたの下に付くということだったがそれはどういうことだ?

あんたと王の関係とはなんだ?


いろいろな考えが俺を支配した。


「ロマリア王からの手紙は読んだ。

 マジメに兵士見習として三年間過ごしてきたようじゃの」


「あぁ、ロマリアの生活も悪くはなかった」


「で、お主はワシに何を聞きたい?」


俺は自分がいいたいことを少し頭の中で整理して口を開いた。


「あんたは以前俺たちに、あんたの下で

 いずれ働いてもらうと言っていたがどこにいたんだ?

 あんたはロマリアの人間ではないのか?」


「まずどこにいたかということじゃが、それはいろいろとじゃよ。

 ”仕事”の内容によって違うからの。

 次の質問じゃが、ワシはロマリアの人間ではない」


「では、何でロマリアでない人間が金の冠を盗んだ俺たちを捕まえたんだ?

 それにあんたはロマリア王と面識があるようだが、いったいどういう関係だ?」


「金の冠を盗むよう、おまえ達に依頼した組織、つまり以前お主達が雇われていた主だが

 いろいろと問題があるヤツでの。

 その組織をつぶすためにまず末端で雇われていたお主達を捕まえたのじゃ。


 お主達は雇い主から何も気かされていなかったようだが、

 ヤツは人殺しから、人身売買、そして・・・・

 まぁ、他にもいろいろやっていたというわけじゃ。

 以前主犯格を捕まえたと言ったことがあったが、黒幕がまだ上にいるということがわかった。

 この三年間かけてもまだ捕まらないから事件はまだ解決はしておらんがの。


 次に王とロマリアの関係じゃが・・」


一息老人はおいた。


「これを聞いたら、お主達はただでは帰れんぞ?

 それでも聞きたいか?」


そういって老人はギロリと鋭い目で俺たちを見た。


第43話 情報売

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