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+--第6話 予感--+

小さい頃の記憶を今でもはっきりと覚えている。
今でも・・・・あの時のことを思い出すと
涙が出てくる。

母を失ったのは・・・・・あの日だった。



ミストの村はその日騒がしかった。
大人達はみなひそひそ声で緊張していた。

「ねぇ、お母さん・・・・
 なんでみんなそわそわしているの?」


「リディア・・・・」

ちょっと不安そうな顔をしたお母さんだったけれど
そのあと優しい笑顔を私に向けてくれた。

「強い炎の精霊力を感じるの。
 この村は緑が多いでしょ?
 だからちょっとした火でも気をつけないと
 火事が起きちゃうからみんなそわそわしているのよ」


「そうなの・・・・
 火事起きるのかな・・・」


「大丈夫よ、リディア。
 大丈夫だから心配しないで」


お母さんは優しく私の頭をなでながら
そう言ってくれた。

お母さんの声は何より私を安心させてくれた。

しばらくすると戸が強くたたかれる。
お母さんが戸をあけるとミストの村の男の人が
何かお母さんに耳打ちをしていた。
その表情を見て顔をくもらせるお母さん。
やっぱり何かあるのかな・・・
しばらくひそひそ話が終わると男の人は外に出ていって戸をしめる。
そのあと私のところに来て笑顔を向けながら

「リディア。
 お母さんちょっと外に出なければいけない用がでてきたから
 家でいい子にしているのよ」


と言った。

急に胸がずきんとした。
理由はわからないけれど
お母さんをこのまま外に行かせてはいけない気がしたの。

「・・・・・・ヤダ」

「・・・・リディア?」

「ヤダ!
 お母さん外に行っちゃダメ!」


「どうしたのリディア?」

「恐いよ・・・・なんか恐いよ・・・・」

「大丈夫よ・・・・リディア。
 何もないから心配しないで。
 すぐに帰ってくるから」


「でも・・・でも・・・・」

お母さんは優しく抱きしめてくれた。

「お母さん・・・・」

「大丈夫だから・・・大丈夫だから・・・・ね。
 リディア」


「・・・・ほんとだよ。
 すぐ帰ってきてよ」


「えぇ、わかったわ。
 用が済んだらすぐに帰ってくるから
 家で待っているのよ」


「・・・・うん」

しぶしぶ私は頷いた。
お母さんをこれ以上困らせたくなかったから。

でもこの時にやっぱり何としても母を止めるべきだった。

第7話 「母との別れ」
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